北朝鮮当局は「非社会主義」として、麻薬、宗教、韓流ドラマ、奇抜な服装や髪型などの行為を取り締まっているが、最近は食事マナーにも介入しはじめた。思想統制というより、財政難が背景にあると見られる。
両江道の情報筋によると、先月「健全で活気ある姿で我が式社会主義を輝かせよう」と題した講演会が開かれ、街頭での飲食や騒ぎが非社会主義とされた。その後、平壌や羅先など各地で取り締まりが始まった。
短いスカート、派手なズボン、髪染め、ひげなどのほか、街頭で食べる行為も対象で、罰金は5000北朝鮮ウォン(約26円)。労働者糾察隊が通りを巡回して取り締まっており、市民の不満が高まっている。
ある幹部は「今回は罰金が目的で、恥をかかせる従来のやり方とは異なる。だから余計に反発が強い」と述べた。特に街頭での飲食は、若者や女性、老人だけが取り締まられ、幹部風の人物は見逃される。
取り締まりを主に行うのは法的権限のない糾察隊で、警察は「気が引ける」として彼らに任せきりだという。
道端で食べる行為は外国人観光客の影響とされ、当局は「腐敗した資本主義的生活様式」と批判する。屋台で買ったものをその場で食べるのが社会主義的だというのが公式見解だ。
住民は「もはや罰金で金を巻き上げようとしている」と冷ややかだ。