中国在住の脱北女性が韓国行きを試みたが失敗し、公安に逮捕された。その後、中国人の夫が身柄の引き取りを拒否したため、未だに釈放されていないと中国のデイリーNK情報筋が伝えた。

遼寧省朝陽市に住んでいる30代のAさんは今年4月末、韓国行きを試みたが公安(警察)に拘束された。現地の公安局は釈放を決定したが、保証人である中国人の夫が身柄引受を拒否したことにより、Aさんは未だに勾留されていると、情報筋が伝えた。

北朝鮮出身のAさんは数年前に脱北し、中国でこの男性と結婚して子どもを授かったが、別の中国人男性と顔見知りになってから、夫との間で対立が生じていたという。

情報筋は「中国人たちはもともと脱北者の妻をあまり信用していない」とし、「いつでも逃げる可能性があると考えるため、お金もあまり渡さない。そこに不倫の疑いまで加わり、中国人の夫は一銭も渡さず、Aさんは生理用品すら買えなかった」と述べた。

結局、耐えきれなくなったAさんは韓国行きを決意し、4月末に家を出たが、遠くまで逃げることができず、公安に拘束された。

情報筋によると、基本的な取り調べを終えた公安は最近、Aさんを釈放するために中国人の夫に身元保証と身柄引受を求めたが、中国人の夫は「他の男と浮気し、子どもまで捨てて逃げた人間だから、絶対に受け入れられない」として拒絶した。そのため、Aさんは未だに釈放されたままだ。

情報筋は「脱北者が公安に拘束されると、どんな理由であれ身元を保証してくれる中国人の保護者がいなければ釈放は不可能だ」とし、「脱北者の身元を保証できるのは中国人の夫か家族しかいないが、彼らが身柄引受を拒否すれば、事実上釈放されない」と述べた。

今回の事件は、中国国内における脱北者たちの不安定で劣悪な状況を示す象徴的な事例だ。

情報筋は「脱北者たちはここ中国で不法滞在者と見なされている」とし、「そのため、いかなる理由で公安に拘束されても、事実婚状態の中国人の夫などが身元保証をしてくれなければ、北朝鮮に送還される可能性が高い」と話した。送還されれば極刑に処される可能性がある。

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