北朝鮮当局が韓国の映像作品の視聴および流布を「国家に対する敵対行為」とみなし、厳しい処罰を続けている。最近、咸鏡北道会寧(フェリョン)市では、韓国の映像を視聴・流布した20代の女性たちが重刑を言い渡され、家族も強制追放されたと伝えられている。
24日、デイリーNKの咸鏡北道の情報筋によると、会寧市に住むAさんは、友人Bさんから借りたSDカードに保存されていた韓国のドラマやバラエティ番組を視聴し、K-POPを聴いていたところ、国家保衛部の取り締まりに摘発された。
今月15日未明、Aさんが自宅で一人で韓国の歌を聴いていた際、保衛部が急襲し、自宅の家宅捜索が行われた。この過程で韓国の映像や音楽が入ったSDカードが見つかり、現場で摘発された。
その後、保衛部に連行されたAさんは、取り調べの中でSDカードを貸した友人Bさんの存在を白状し、それによりBさんだけでなく彼女の家族も保衛部に逮捕された。
彼女たちに対する処罰は迅速に行われた。裁判にかけられたBさんは「不純録画物流布罪」で13年の労働教化刑、Aさんは「不純録画物視聴罪」で5年の労働教化刑を言い渡された。
これにとどまらず、Bさんの家族も農村の山間地域に強制追放された。Aさんの家族も取り調べを受けたが、どのような処分が下されたかはまだ確認されていない。
北朝鮮当局は今回の事件を「反動思想文化排撃法」に明確に違反した事例とみなし、速やかに裁判を進めたと情報筋は説明した。
2020年末に制定された反動思想文化排撃法は、韓国の映画や映像作品、書籍、歌、絵、写真などを視聴・流布した場合、最高で死刑まで科すことができると規定している。
情報筋は「この法律が適用されると賄賂も通じない」とし、「単なる視聴を超えて国家に対する反逆行為とみなされるからだ」と述べた。
実際、反動思想文化排撃法が制定されて以降、北朝鮮の住民は午前3時から6時の間にこっそりと映像を見るなど、極めて慎重に行動している。
情報筋は「一言、ひとつの行動を誤れば家族全体が一瞬で破滅するため、最近では若者たちも以前のように複数人で集まって映像を見ることはほとんどなくなった」と話した。