北朝鮮の芸術家が所属する万寿台創作社で、朝鮮労働党宣伝扇動部による特別講演会が開かれた。

平壌のデイリーNK内部情報筋は、「今月14日、万寿台創作社の第1会議室で、芸術家の良心と品性に警鐘を鳴らす思想教育のための特別講演会が、党宣伝扇動部副部長の直接指導のもと、約1時間半にわたって行われた」と語った。

この講演会は、今年上半期に一部芸術家の間で現れた非社会主義的行為を批判し、道徳的品性と革命的姿勢を正すことを目的とした。

当日は、国家の配慮により美術大学卒業や海外留学の経験を持ち、最高の芸術機関に所属する芸術家たちが、個人の利益追求に走っていると非難された。副部長は、党から除名・解任・追放された10人余りの芸術家と行政幹部の事例を具体的に挙げた。

さらに「社会主義を裏切り、資本主義的思考に染まり、作品を外部に販売した行為は階級的変質の表れだ」と批判。「芸術家は国家の財を生み出す革命の兵器であり、金正恩時代には清廉で高潔な精神文化の先兵であるべきだ」と芸術家の使命を強調した。

また、「創作社所属の美術家、書道家、工芸家、行政職員までもが党の作風建設を先導する思想性と道徳性を備えるべきだ」と述べた。

情報筋によれば、この講演は上半期の業績総括の形式を取りつつも、下半期の課題遂行に向けて芸術家の思想を再整備するものであり、芸術界全体の非社会主義的傾向を改める思想的措置だった。

講演後、芸術家の間では「配給と給料だけでは生活できないが、絵を売れば処罰される」「数点の絵で生活を支えようとした仲間がどうなったかを見て身の毛がよだった」との声が漏れたという。

一方、党は下半期に控える党創建80周年(10月10日)に向けて、創作社に大型壁画や宣伝画制作の任務を徹底的に遂行するよう求めた。

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