北朝鮮の製薬工場から抗生物質を盗み出し、横流ししたとして、労働者2人が拘束されたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安南道の情報筋によると、拘束されたのは順川製薬工場に勤める30代の男性労働者と40代の女性労働者だ。

2人は、トブラマイシンという様々な感染症に効果のある抗生物質を盗み出した容疑だ。

工場の安全部(警察署)は、表門と裏門に武装保衛隊と巡察隊を配備し、医薬品の原材料を盗み出し、横流しする者を処罰すると警告した。警告にもかかわらず、2人は犯行に及んだ。結局、6ヶ月の労働鍛錬刑(懲役刑)に処せられた。

情報筋によると、この抗生物質はインフルエンザ、急性肺炎、慢性気管支炎などの治療に使われ、数年前に試験生産されたが、国家計画(ノルマ)に応じて本格的に生産することになった。

患者やその家族の間では、「中国製より、(国産の)トブラマイシンのアンプル注射が結核や膀胱炎によく効くという認識が広がり、市場での需要が高まっている」とし、「そのせいで横流しが増えている」と語った。

それらは市場で転売されているようだ。

それらは市場で転売されているようだ。

平安北道の別の情報筋は、順川の国営標準薬局では病院の処方箋なしでもトブラマイシンを1本5000北朝鮮ウォン(約29円)で販売していると伝えた。また、市場でも密売が横行している。いずれも製薬工場の労働者が横流ししたものだという。安全部の警告もあまり効果がないとのことだ。

情報筋は、「工場では、食糧が十分に得られない労働者だけでなく、中間幹部もトブラマイシンを横流しし、市場で販売して金を稼いでいる」、「工場の安全部が見せしめとして薬品を流出させた労働者を労働鍛錬隊に送ったが、薬品の流出を完全に止めることはできないだろう」と述べた。

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