北朝鮮の金正恩総書記24日、朝鮮戦争の休戦協定締結日(1953年7月27日)を前に、黄海南道の信川(シンチョン)にある「信川階級教育館」を党・政府・軍の幹部と共に視察した。朝鮮中央通信が26日に報じた。

信川階級教育館は、朝鮮戦争期の「米軍による虐殺」を象徴する施設として知られ、北朝鮮の反米・反帝国主義教育の拠点と位置付けられている。金正恩氏は現地で、「いかなる世代交代があろうと、信川の悲劇は癒されず、忘れられない」と語り、階級的教育の徹底強化を改めて強調した。

視察には、党中央政治局常務委員会のメンバーをはじめ、道党委責任書記、省・中央機関の幹部などが同行。展示室や「400人の母の墓」「102人の子どもの墓」、旧軍事施設などを巡回した。

金正恩氏は「革命意識と階級意識の低下は、革命の標的と主敵観を曖昧にさせる」と述べ、「革命は1~2世代で終わるものではなく、長期的に継承される偉業であり、階級闘争のバトンを次世代に確実につなぐことが国家の運命と直結する」と訴えた。

また、「信川の悲劇を二度と繰り返させないためには、敵が恐れる圧倒的な自衛力を備えることが必要」とし、軍事力強化の正当性を訴えた。「最強の自衛力を育てることに、わが民族の自主的未来がある」と語った。

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