北朝鮮の努光鉄(ノ・グァンチョル)国防相は10日、談話を発表し、米韓が18日から実施予定の大規模合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」を強く非難した。朝鮮中央通信が伝えた。
努国防相は、演習について「米海兵遠征軍を含む海外兵力と『国連軍司令部』構成国の兵力まで動員されて全領域にわたって強行される」とし、「わが国家はもちろん、地域諸国を狙う新たな現代戦争教範と方式が適用されることを隠さなかった」と批判した。
さらに、「朝鮮半島と地域の安保環境に再び深刻な挑戦をもたらしている米韓の挑発行為を強く糾弾し、それが招く否定的結果について厳重に警告する」と述べ、核戦争を想定した演習は「情勢の予測不可能性を増幅させ、地域情勢の不安定化を固着させる真の脅威」と主張した。
努国防相は、米韓の軍事行動が「安全保障をより不安定な状況に陥れる逆効果をもたらす」と警告し、「国家の安全と地域の平和を守るのは共和国武力の絶対の使命」と強調。最後に「限界を超えるいかなる挑発行為に対しても自衛権レベルの主権的権利を厳格に行使する」と表明した。
同通信の報道全文は次のとおり。
努光鉄国防相が談話発表
【平壌8月11日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国の努光鉄国防相が10日に発表した談話「米韓の敵対的脅威から国家の安全利益を守るのは共和国武力の絶対の使命である」の全文は、次の通り。
米国と韓国の軍部好戦狂らが、8月18日から大規模合同軍事演習である「ウルチ・フリーダム・シールド」が始まると公式に発表した。
敵は、米海兵遠征軍を含む海外兵力と「国連軍司令部」構成国の兵力まで動員されて全領域にわたって強行される今回の合同軍事演習にわが国家はもちろん、地域諸国を狙う新たな現代戦争教範と方式が適用されることを隠さなかった。
われわれは、朝鮮民主主義人民共和国との軍事的対決の立場を濾過(ろか)なく露呈し、朝鮮半島と地域の安保環境に再び深刻な挑戦をもたらしている米韓の挑発行為を強く糾弾し、それが招く否定的結果について厳重に警告する。
実際の核戦争状況を想定して行われる「ウルチ・フリーダム・シールド」は、わが国家に対する直接の軍事的挑発になるだけでなく、停戦状態にある朝鮮半島情勢の予測不可能性を増幅させ、地域情勢の不安定化を固着させる真の脅威となる。
誰それの「威嚇」を抑止するという美名の下に強行される米韓の一方的な軍事的威嚇と対決企図こそ、朝鮮半島と周辺地域の情勢が日を追って否定的に変化している根本理由である。
朝鮮民主主義人民共和国に対する武力示威は、間違いなく米韓の安全保障をより不安定な状況に陥れる逆効果をもたらすようになるであろう。
力の見地から見て各敵国の攻撃行為を抑止し、軍事的挑発に対応し、国家の安全と地域の平和を守るのは、朝鮮民主主義人民共和国武力の絶対の使命である。
わが武装力は、確実で断固たる対応態勢で米韓の戦争演習騒動に備えるであろうし、限界を超えるいかなる挑発行為に対しても自衛権レベルの主権的権利を厳格に行使するであろう。---