朝鮮人民軍総参謀部の報道官は22日、米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」を強く非難する談話を発表し、米韓両国の行動を「挑発的かつ侵略的」と断じた。
談話は、8月18日に開始された合同演習は「自由の盾という欺瞞的な看板の下で、韓国の地上・海上・空中の全領域で強行されている」と主張。
また、英国海軍艦船が釜山基地に進入したことや、国連軍司令部構成国が演習に参加していることを指摘し、「演習は完全に多国籍合同軍事演習に変質した。わが国家に対する軍事的脅威は倍加された」と批判した。
談話はさらに「米韓の好戦狂的な軍事演習は朝鮮半島と地域の緊張を極度に激化させ、平和を害している。世界のどこを見ても、これほど膨大な武力が結集して実戦さながらの演習が行われる例はない」と述べた。
そのうえで、北朝鮮軍は「敵対勢力の軍事的挑発に対しては、無差別な自衛権の行使で徹底的に対応する」と警告。米韓への対抗姿勢を一層強める構えを示した。
同通信の報道全文は次のとおり。
朝鮮人民軍総参謀部代弁人が談話発表
【平壌8月23日発朝鮮中央通信】朝鮮人民軍総参謀部のスポークスマンが22日に発表した談話「硝煙の立ちこめる韓国の実状はわが軍の万全の態勢をさらに強固にさせる」の全文は、次の通り。
内外の一致した懸念と反対・排撃にもかかわらず、米国と韓国の連中は18日、大規模合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」をついに開始した。
「自由の盾」という欺瞞的な看板の下、韓国の地上と海上、空中の全領域で強行される「ウルチ・フリーダム・シールド」合同軍事演習は、新たな現代戦争の教範と方式を朝鮮半島の実情に合わせて応用、熟達するための指揮および野外実機動訓練であり、徹底的にわが国家に対する不意の先制打撃を狙ったごく挑発的かつ侵略的な大規模実戦演習である。
われわれの核施設に対する「事前原点打撃」を想定した戦争シナリオである「作戦計画2022」の適用と連隊級以上の武力、機械化打撃集団が攻撃序列に編成され機動しながら実射撃を行う各種の訓練だけでも、その重大さと危険性を肌で感じさせている。
米韓の好戦狂の無分別な戦争演習は、わが国家の安全環境を重大に脅かしており、朝鮮半島と地域情勢の全般を極度の緊張激化に突っ走るようにしている。
特に、太平洋で連合海上訓練中であった英軍艦船の一部が釜山作戦基地に進入したことをはじめ、「国連軍司令部」構成国の武力が合同軍事演習に合流することで、「ウルチ・フリーダム・シールド」は完全に多国籍合同軍事演習に変移し、わが国家に対する軍事的脅威はより倍加された。
諸般の事実は、米韓の冒険的な軍事演習が域内の力のバランスの破壊を招き、朝鮮半島の平和を害する主犯が他ならぬ、米国と韓国であることを改めてはっきり示している。
世界のどこを見ても、わが国家の周辺でのように膨大な武力が集結し、実戦のような軍事訓練が強行される所はない。
わが国家に対するいかなる敵対的軍事行動も、完璧に制圧・粉砕しようとするわが軍の万全の態勢は一層強固になるであろう。
わが軍はすでに宣明したように、わが国家の安危に直接的脅威となる敵対勢力の軍事的挑発にもっぱら徹底して無差別な自衛権行使で対応するであろう。---