朝鮮労働党総書記で国務委員長の金正恩氏は8日、平安北道亀城市で進められている新病院建設の現場を視察し、完成に向けた施工状況を確認した。趙甬元、朱昌日、金才龍、金勇帥ら党中央委員会幹部が同行した。
金総書記は、今年を「保健医療革命の元年」と位置づけ、市・郡単位の病院建設を国家的最重点事業とする党中央の方針を再確認。そのうえで「地方の住民が首都と同等の医療サービスを受けられるようにすることが党の責任であり、文明国家建設を加速する大きな一歩だ」と強調した。
病院の各所を巡視した金総書記は、施工の過程で現れた偏向を指摘しながらも、建設者の努力を高く評価。「病院は機能性、利便性、美学性を兼ね備え、科学的かつ実用的、芸術的にも優れた施設でなければならない」と述べた。
さらに金総書記は、全国的な「地方工業革命」と並行する「保健医療革命」は、社会主義的保健医療に新しい生命を吹き込む最急務であると位置づけ、「人民の健康と福祉を最優先に据える国家原則を貫徹せよ」と指示した。
病院建設が最終段階に差しかかっていることから、開院に向けた運営準備を責任をもって進めるよう求め、具体的な課題を提示。医療施設の全国的な刷新を先導する「モデルケース」として、亀城市病院が重要な役割を担うことを強調した。
今回の視察は、北朝鮮が国防・軍事に偏重してきた印象を緩和し、国民の生活分野への投資を示すことで体制の正当性を訴える狙いがあるとみられる。