北朝鮮の金正恩総書記が23日、竣工を控えた平壌総合病院を視察。建設が大幅に遅れたのは幹部らの「功名心によって生じた経済組織活動における混乱に起因する」として、厳しく叱責した。
金正恩氏は、2020年3月に行われた同病院の着工式で、同年10月までに完成させるよう指示。しかし、資材不足に新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、建設が大幅に遅れた。
金正恩総氏は視察現場で、「病院の建設が他の部門に比べて遅れた原因は世界的な保健事態による客観的要因にもある」としながらも、幹部らの未熟さがより大きな要因だったと指摘。
「当時、彼らは国家の財政規律を無視して病院の規模と設計の変更に応じた総建設予算も承認されなかった状態で、自分勝手に工事を進めて経済的損失を招いただけでなく、より重大なことには恣意的に支援分科形式の機構まで設けて全国的に募金と支援の旋風を巻き起こし、真に人民のために始めた張り合いがある誇らしい党の宿願事業の本道が歪曲されるようにする深刻な政治的問題を発生させた」と述べた。
さらに、「当時、そのような不当な行為を働いた幹部の中には建設連合常務の政治責任者であった党中央委員会組織指導部の以前の責任幹部らも含まれていた」としながら、「個別的幹部らの功名心によって生じた政治的損害を回復するために、やむを得ずわれわれは昨年12月、病院の建設に支援金を出した個別的単位と住民に資金を全部、もれなく返してやる特別な措置を別途に取らなければならなかった」と明かした。
なお、この日の視察には朝鮮労働党中央委員会の趙甬元(チョ・ヨンウォン)書記と朱昌日(チュ・チャンイル)、金才龍(キム・ジェリョン)、金勇帥(キム・ヨンス)の各部長、保健医療部門の活動家たちが同行した。