朝鮮労働党の金正恩総書記(兼・朝鮮民主主義人民共和国国務委員長)は10日、党創立80周年の行事に合わせて平壌を訪問したロシア与党「統一ロシア」のドミトリー・メドベージェフ委員長と会談した。朝鮮中央通信が伝えた。
会談では、両国関係の強化や党間交流の拡大、国際・地域情勢に関する意見交換が行われたとされる。金正恩氏は、メドベージェフ氏を「同志的かつ友好的に歓迎した」と伝えられ、「今回の訪問は、朝ロ両国関係を新たな高みに押し上げる契機になる」と述べたという。また、金正恩氏は「ウラジーミル・プーチン大統領への温かいあいさつを伝える」と語り、ロシアとの政治的連携を一層強める姿勢を示した。
北朝鮮側は、統一ロシア代表団の訪問を「朝鮮人民の正義の偉業に対する確固たる支持の表れ」と評価。両国の「戦略的パートナーシップ」や「同盟関係」の深化を強調した。金正恩氏はまた、「両国の政権党が政治的協力を強化し、人民の福祉と国益を守るために連携を深めるべきだ」と述べ、党レベルでの協力関係を拡大する方針を示したとされる。
一方、メドベージェフ氏は「朝鮮労働党創立80周年という歴史的な節目に平壌を訪問できたことを光栄に思う」と述べた。さらに、第2次世界大戦中のクルスク州解放作戦での朝鮮人兵士の貢献を挙げ、「両国の兄弟的絆と信頼関係は不変だ」と強調。今後も両党・両国の交流を強化していく考えを示した。
両者の会談では、朝鮮労働党と統一ロシアの協力拡大に向けた具体的な展望計画も話し合われたとされ、金正恩氏は「国家の主権と安全、領土保全を守り、強いロシアを建設するための統一ロシアの努力に成果があることを願う」と述べた。会談後、金正恩氏主催の昼食会が開かれ、両国の関係強化を改めて確認したという。