北朝鮮の金正恩総書記が国家保衛省、社会安全省、最高裁判所、最高検察署といった公安・司法機関を相次いで訪れ、体制守護の重要性を繰り返し強調した。創設80周年を迎えた国家保衛省への祝賀訪問を皮切りに、住民監視と体制統制の要を担う機関を短期間で連続して視察したことで、金正恩氏が内部統制の大幅強化へと舵を切ったとの見方が広がっている。
朝鮮中央通信(KCNA)によれば、金正恩氏は18日、国家保衛省で李昌大(リ・チャンデ)国家保衛相の出迎えを受け、祝賀文を手渡した。金正恩氏は「党と国家を保衛する闘争の前衛で、革命的信念と忠誠心を貫く保衛戦士に戦闘的あいさつを送る」と述べ、同省が“階級闘争の最前線”として果たしてきた役割を称賛した。さらに「革命守護の道を歩んできた保衛幹部の功績なくして、歴史的な変革と勝利の記録は語れない」と評価した。
国家保衛省(旧・国家安全保衛部)は、政敵と見なされた人物や住民の思想・言動を徹底的に監視・摘発し、必要とあらば葬る北朝鮮の最重要治安機関である。
同省は政治犯収容所(管理所)の運営を統括し、拘束・取り調べ・強制労働などを通じて住民社会を恐怖で支配してきた。金日成、金正日、そして金正恩の各政権下で、同省は“恐怖政治”の中枢として機能し、反体制分子の抑圧と粛清を繰り返すことで体制維持の基盤を形成してきた。KCNAも同省を「主権と政治的安定を担保する堡塁」と呼び、存在意義を強調した。
公開された写真には、金正恩氏が後継者として活動していた2009年4月を含め、国家保衛省を複数回訪れた事実を記す標識が写り、同省との密接な関係を裏付けている。
金正恩氏はまた、社会安全省も視察した。同省は治安維持や住民統制を担い、韓国の警察に相当するが、政治犯の逮捕や思想統制に深く関与している点で本質的には国家保衛省と同じ役割を担う。金正恩氏は「社会安全軍は共和国の二大核心武力であり、その戦いの足跡は党の歴史に刻まれている」と述べ、治安部隊を体制防衛の“武力”と位置づけた。
最高裁判所と最高検察署でも、金正恩氏は「国家の全面的発展期は司法・検察機関にとっても新たな全盛期だ」と述べ、「党の思想を徹底して具現化し、社会主義法制度を一段と強化せよ」と指示した。
こうした一連の視察について、専門家の間では“統治力誇示”としての意味が指摘されている。国家保衛省や社会安全省といった恐怖統治の要を担う機関を前面に押し出し、規律・社会主義秩序の再徹底を図る動きとみられるためだ。
金正恩氏がこれほど集中的に体制維持機構を巡回するのは異例だ。背景には、経済難と国際孤立の深刻化のなかで内部不満の芽を早期に摘み、統治の安定を確保したいという意図があるとみられる。公安・司法機関を総動員した今回の“引き締め”が、今後の北朝鮮情勢にどう影響するか注目される。








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