北朝鮮・黄海南道(ファンヘナムド)の鳳泉(ポンチョン)郡で、高級中学校(日本の中学・高校相当)に通う男子生徒15人が農作物を盗んだとして摘発され、公開裁判の末に労働鍛錬隊1年の刑を言い渡されていたことが分かった。

韓国デイリーNKの現地情報筋によると、公開裁判は先月7日、鳳泉郡文化会館で行われ、生徒たちが在籍する学校の全校生徒や教職員、さらには保護者まで動員されたという。

15人は昨年10~11月の収穫期、昼間は農場で収穫作業に動員される一方、夜間に倉庫へ侵入して穀物を盗み、市場で売却。得た金で靴や衣類を購入していた。事件発覚後、全員が保衛当局に連行された。

裁判で動機を問われた生徒たちは、「入隊前に一度でいいから良い服を着てみたかった」「家が貧しく、少しでも親の助けになりたかった」「友達と腹いっぱいご飯を食べたかった」などと訴えたとされる。15人はいずれも貧しい農場労働者の家庭出身で、幼少期から困窮した生活を送ってきたという。

しかし郡党当局はこの事件を「資本主義的拝金思想に染まった青少年による思想問題」と位置づけ、道党にまで報告。事態を重く見た当局は厳罰方針を決めた。裁判中、生徒たちは終始うつむいたままで、保護者は涙を流し続けていたという。

裁判所は「従来のような教育や反省文では不十分だ」として労働鍛錬隊1年を宣告。刑期終了後も軍への入隊は認めず、炭鉱など過酷な勤務地に配置するとした。鍛錬隊は「鉄格子のない監獄」とも呼ばれ、早朝から就寝まで重労働を課される施設だ。

住民の間では「飢えと貧困が原因の行為を政治的見せしめとして処罰した」「人生を始めたばかりの子どもたちにあまりにも残酷だ」と批判の声が広がっているという。

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