ウクライナ侵攻が長期化する中、ロシア軍前線で使用されている北朝鮮製兵器に対する不満が、ロシア側内部から公然と噴出している。とりわけ問題視されているのが、北朝鮮から供給されたとされる122ミリけん引砲(D-74系)で、ロシア人の軍事ブロガーや前線兵士の証言として、「こんなゴミはいらない」「実戦では危険ですらある」といった厳しい評価が相次いでいる。

発端となったのは、ロシア語圏SNSやテレグラムに投稿された前線の砲兵による映像や証言だ。親露派ミルブロガーとして知られる「The Dead District(デッド・ディストリクト)」は、前線砲兵の言葉を引用する形で、北朝鮮製とされる122ミリ野砲について「It’s garbage(これはゴミだ)」という表現を紹介。砲の各部が粗雑に作られており、射撃のたびに不安が伴うとする現場の苛立ちを伝えた。

最近は北朝鮮においても、ロシアへの派兵の対価がじゅうぶんでないことへの不満が充満しているとされるが、現場のストレスはロシア側も同様なのだ。

問題は砲本体だけではない。前線で特に不評を買っているのが砲弾の品質だ。不発弾の多発、装薬量のばらつき、初速の不安定さなどが指摘されており、ある砲兵は「敵より先に自分たちがやられる危険がある」と語ったとされる。

実際、ウクライナの英字メディアであるキーウ・ポストは2024年7月5日、北朝鮮製の弾薬を使用していた57ミリ対空砲が暴発し、操作していたロシア兵が吹き飛ばされる瞬間とされるショッキングな映像を報じている。

また、英国王立防衛安全保障研究所のパトリック・ヒントン英陸軍研究員は2023年9月の時点で、北朝鮮の砲弾の品質について「粗悪な弾薬は性能に一貫性がなく、飛行に悪影響を与え、精度を低下させるかもしれない」とし、「これらは全て高い仕様で作られる必要がある。そうでなければ想定していた場所に着弾できず、(ロシア軍に)壊滅的な結果を招きかねない」と指摘していた。

それにもかかわらず、なおも問題が頻発する背景には、ロシア軍がいまだに深刻な砲弾不足に直面している現実がある。少なくとも砲弾の量の面では、ロシアは北朝鮮の存在なしに戦争を続けるのは難しいのだろう。

しかし前線の評価を見る限り、「数はあっても質が伴わない」という厳しい実態が浮かび上がる。

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