イランの反体制デモが世界的に注目を集める中、北朝鮮当局は新年の「忠誠の誓い」集会を契機に、若者層への統制を一段と強化していることが分かった。体制への不満を未然に封じる狙いがあるとみられ、青年同盟を動員した監視と取り締まりが平安南道全域で進められているという。

平安南道のデイリーNK情報筋が14日までに伝えたところによると、道の朝鮮労働党委员会は新年の忠誠の誓い集会後、道内のすべての青年・学生を対象に「資本主義文化の風潮を一切許さない」との方針を青年同盟(社会主義愛国青年同盟)組織に指示した。思想闘争と統制を一層強めるよう求めたという。

情報筋によれば、平城市の青年同盟は、いわゆる「韓流」や資本主義文化を徹底的に排撃せよとの道党の方針を伝達された。そこでは、大学生や初級・高級中学校(中学・高校)生に対し、冬休み期間中であっても生活総和(自己批判を伴う生活点検)や思想検閲を緩めてはならないと明記されており、市青年同盟は学生の日常生活全般に対する統制を続けることを決議したとされる。

重点的な取り締まり対象として挙げられたのは、①韓国映画やドラマの視聴、②韓国式の服装や髪型、③韓国の歌を口ずさんだり、韓国の踊りを踊ったりする行為で、これらを集中的に監視・摘発するよう指示が出たという。

さらに道党は、若者が数人で集まり酒を飲みながら党や国家を批判している実態に強い警戒感を示し、青年同盟がその場に秘密の監視対象者を潜り込ませ、率直に語られた発言をすべて録音するよう要求したとも伝えられる。青年同盟には、党の勤労団体部門と毎週定例会議を開き、関連動向を逐一報告することも求められた。

情報筋は、こうした措置について「最近、青年や大学生、さらには中高生に至るまで党の政策への不満を口にする例が増えていることを受け、行為者を強力に取り締まることで、若者や学生が不満を口にすること自体を封じ込めようとする意図だ」と分析している。

実際、イランでは経済苦や社会的抑圧への不満が積み重なり、若者層が街頭デモやSNSを通じて抗議の声を広げてきた。治安当局による強硬な弾圧にもかかわらず、抗議の火種は消えず、体制側にとって「若者の不満」が最大の不安定要因となっている。北朝鮮指導部も、外部情報の流入や市場化を背景に、若者層の意識変化が政治的抗議に転化する事態を警戒しているとみられる。

一方で、当局は青年や学生が市場で商売に関わることも「思想的に好ましくない」と指摘し、親に付き添って市場に出入りし商いを手伝う若者や学生も問題視するよう指示した。

取り締まりは本人にとどまらず、親や所属組織(職場・学校)の責任者にも責任を問うと警告したという。

しかし、こうした動きに対する住民の反応は冷ややかだ。情報筋は「経済的に苦しい家庭が数多くある中、休暇中の子どもが親を手伝うことの何が悪いのかという不満が噴出している。強圧的な弾圧を続ければ、かえって思想は歪むだけだとの声が高まっている」と伝えている。

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