北朝鮮の朝鮮労働党大会は、同国における最高意思決定機関であり、国家運営の基本路線や中長期戦略、人事方針を決定する極めて重要な政治行事である。

形式上は5年に1回の開催とされるが、金日成・金正日時代には長期にわたり開かれないことも多く、1990年の第6回大会から2016年の第7回大会まで実に36年間の空白があった。

金正恩体制下では、権力基盤の安定と制度化を進める狙いから、党大会の定期開催が重視されるようになり、2021年には第8回大会が開催された。

党大会では、党中央委員会の活動総括報告を通じて、過去5年間の政策成果と失敗が整理され、新たな国家目標が提示される。経済分野では五カ年計画や重点産業の育成方針が示され、軍事分野では国防力強化路線や兵器開発の方向性が明確にされる。また、政治局や党中央軍事委員会の改選など大規模な人事が行われ、最高指導者の権威と統治体制を内外に誇示する場ともなる。

近く開催される第9回党大会とそれに続く最高人民会議では、金日成氏が死亡して以来、廃止されていた「主席」の座に、金正恩総書記が就任するか注目される。

また2021年に掲げた国家経済発展五カ年計画の最終総括が最大の焦点となる。深刻な食料不足、慢性的なエネルギー欠乏、対外制裁の長期化により、計画達成は極めて困難とみられており、金正恩総書記がどの程度率直に失敗を認め、路線修正に踏み込むかが気になるところだ。

また、ロシアとの軍事・経済協力の深化や、中国依存の構造的問題への対応も重要な論点となる。国際環境の変化を踏まえ、核・ミサイル開発路線を維持しつつ、いかに経済再建の糸口を探るかが問われる。第9回党大会は、金正恩体制の統治能力と今後の国家進路を占う重大な節目となるかもしれない。

編集部おすすめ