国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4日、脱北者25人への詳細なインタビュー調査に基づく報告書を公表。北朝鮮で韓流コンテンツを視聴したり大量流布したりした場合、「反動思想文化排撃法」により極刑に処せられる現実がまたもや明らかになった。

デイリーNKの北朝鮮内部情報筋によれば、たとえば2022年1月、平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)で、20代の男女のカップルが公開処刑された。刑場では、数百人がその様子を見守ったという。

20代女性のAさんは、平安南道保衛局(秘密警察)の政治局長の娘で工業大学を卒業後、食料品工場で働いていたが、後に平城に住む家族のもとに戻り、平安南道保衛局傘下の生産基地に所属していた。

といっても、Aさんの場合はカネとコネの力で出勤扱いにしてもらい、実際は働かずに遊んで暮らしていたとのことだ。

彼女のボーイフレンドは、理科大学自動化学部を出たコンピュータ技術者のBさんだった。2人は、上述の「路地裏食堂」から手始めに、韓国料理に関する様々な韓流コンテンツを見るようになった。

当初は韓流料理番組を見て、新しいメニューを開発して飲食業を開こうと思っていた二人だったが、徐々に韓流にはまり、韓流ソフトの複製、販売を行うようになっていった。バックに秘密警察幹部の父親がいるからこそ、可能だったと言えよう。

だが、父親の権力を持ってしても、隠し通すことは不可能だったようだ。情報筋は詳しい経緯には触れていないものの、2人は逮捕されてしまった。そして1月末に公開裁判にかけられ、当局により引き出された人民班(町内会)、安全部(警察)、検察所などの人員300人が見る前で刑が執行された。

最前列で、その様子を息を飲んで見守っていたのは、二人の商売の協力者でもある保衛員(秘密警察)たちだ。

彼らも後に、違法映像物流通加担、黙認の容疑で逮捕された。

一方、道保衛局政治部長の座にあった父親は管理所(政治犯収容所)送りとなった。ちなみに彼は元々行政機関の幹部だったが、反体制勢力の取り締まりで評価を受け、保衛局に栄転した人物だったという。

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