今月下旬、北朝鮮の平壌で朝鮮労働党第9回大会が開かれる。焦点の一つは、金正恩総書記の娘であるジュエ氏が、公式の場に姿を現すかどうかだ。
選挙を通じて指導者を選ぶ民主主義国家と異なり、独裁体制における権力継承は常に不確実性を伴う。権力内部の力学、軍や党の支持、国際環境など、無数の変数が絡み合うためだ。その意味で、後継者育成は「早すぎる」ことはない。金正恩氏がジュエ氏を幼少期から公の場に同席させ、象徴的な存在として演出してきた背景には、長期的な世襲戦略が透けて見える。
もっとも、女性であることが大きな壁となる可能性は否定できない。韓国統一部が6日に公表した「北朝鮮人権白書2025」によると、北朝鮮当局は対外的イメージ改善のため、形式的には女性の地位向上を掲げてきた。一方、社会の深層には根強い男尊女卑の意識が残り、女性指導者の登場に対する抵抗感も小さくないという。脱北外交官のリュ・ヒョヌ氏は、こうした社会風土の中で、ジュエ氏の円滑な権力継承は容易ではないとの見方を示す。
となれば、金正恩氏には女性の地位向上を本気で推し進める覚悟が問われる。だが、保守的な軍部や党幹部の意識改革は一朝一夕には進まないだろう。
もう一つの重要な変数が、金正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長の存在である。
母親が元在日朝鮮人の帰国者という出自から、金正恩氏は体制内で盤石な閨閥を築きにくい立場にある。その中で、与正氏は誰よりも信頼できる「右腕」として権力運営を支えてきた。対南・対米政策の前面に立ち、事実上のスポークスウーマンとして発言力を強めていることからも、その地位の高さは明らかだ。
しかし、与正氏の権威が強まれば強まるほど、ジュエ氏の将来的な立場は相対的に揺らぎかねない。与正氏自身に野心がなくとも、体制内の力学が彼女を担ぎ上げる可能性は排除できない。権力継承をめぐる微妙なバランスの中で、与正氏はジュエ氏にとって、最大の支援者であると同時に、最大の不確定要素でもある。
さらに、経済制裁の長期化による民生の疲弊、ロシアとの軍事協力に伴う国際的孤立の深まりなど、体制を取り巻く環境は厳しさを増している。安定した継承の前提となる国家運営そのものが揺らげば、いかなる世襲構想も絵に描いた餅に終わる。
金正恩氏にとって、娘を「新女王」として君臨させる道筋を描くことは、核・ミサイル開発や対外戦略以上に難しい課題かもしれない。党大会は、その長い道のりの第一歩となるのか。平壌の動向から、しばらく目が離せそうにない。








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