K-POPや韓流ドラマの取り締まりが厳格化する北朝鮮で、法よりコネが命運を左右している現実が、国際人権団体アムネスティの最新リポートで浮き彫りになった。

アムネスティが2026年2月4日に公表した脱北者25人への詳細なインタビュー調査によると、韓流コンテンツを視聴した場合、本来は「反動思想文化排撃法」により5~15年の強制労働が科され、大量流布や組織的な集団視聴では死刑も規定されている。

しかし現実には、約1万ドルに及ぶ賄賂を支払える富裕層や、保安当局に強いコネを持つ家庭は摘発を免れたり、警告のみで済まされたりするケースが多いという。4年ほど前には、K-POP動画を回し見していた14歳の少女ら10人が、安全部(警察)に逮捕されたことがあった。

デイリーNKジャパン編集部が韓国情報機関の元高官から得た情報によれば、平壌の船橋・楽浪区域安全部に逮捕された少女らはいずれも、金正恩の「最側近クラス」である朝鮮労働党と朝鮮人民軍幹部の孫たちだったという。

本来なら、安全部の捜査対象になるはずもない少女である。それが逮捕され勾留までされてしまったのは、韓流撲滅がまったく上手くいかないことに業を煮やした金正恩氏が、「聖域なき取り締まり」を重ねて強調し、摘発に関わる権力機関を相互にけん制させたからかもしれない。

だが、少女らは何の処罰も受けないまま釈放されたという。さすがの金正恩氏も複数の側近たちからの助命嘆願にヘナヘナとなり、釈放を命じずにいられなかったということだ。

こうした事実は、いずれ北朝鮮の特権層は、幼いころから「禁断の集まり」を繰り返し、韓流に染まり切った人々で占められることを暗示している。果たしてそのような時代になってもまだ、北朝鮮は外国文化を否定し、極端な取り締まりを続けていられるのだろうか。

編集部おすすめ