ロシアの首都モスクワで、北朝鮮料理店の新規開業が相次いでいることが分かった。米国の北朝鮮専門メディア「NKニュース」が11日付(現地時間)で報じたもので、国連制裁によって禁止されている北朝鮮労働者の海外就労が、事実上黙認されている可能性が浮上している。

ロシア最大級の検索エンジン「ヤンデックス」によると、平壌冷麺や焼肉、炒飯などを提供する北朝鮮料理店「陵羅島(ヌンラド)」が最近、モスクワ南部に新たに開店した。

店舗紹介欄には、北朝鮮出身とみられる女性従業員の写真が掲載され、利用者の口コミには「本物の北朝鮮人スタッフが多く、料理の質を裏付けている」「内装は国籍不明だが、従業員は間違いなく北朝鮮出身」といった評価が並ぶ。

NKニュースの調査によれば、過去1年でモスクワ市内には少なくとも3店舗の北朝鮮料理店が新たに開業し、現在営業中の店舗は4店以上に上るとみられる。

ただし、ロシアの税務当局の事業者登録記録を確認したところ、「陵羅島」の名称で登録された法人は存在せず、先に開店した他の北朝鮮料理店についても、税務関連書類の確認が取れていないという。

NKニュースは、これらの店舗が実質的に税務当局の監視を回避しながら営業し、外貨を稼いでいる可能性が高いと分析している。背景には、ロシア国内で急増する北朝鮮労働者の存在がある。

ロシアと北朝鮮は、ウクライナ侵攻後に包括的協力協定を締結し、軍事・経済両面で関係を急速に深化させている。NKニュースによると、ロシアは北朝鮮人労働者を「留学生」として入国させた上で、建設現場や飲食業などに配置する手法を取り、国連制裁を巧妙に回避しているとされる。

国連安全保障理事会は2017年、北朝鮮の核・ミサイル開発を受けて制裁決議を採択し、加盟国による北朝鮮労働者の新規雇用を全面的に禁止した。しかし、ロシアでは北朝鮮系とみられる飲食店や建設現場での就労が事実上容認されている状況が続いており、制裁の実効性が問われている。

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