北朝鮮で今月下旬に予定される朝鮮労働党第9回大会を前に、代表者選出を巡る大規模な不正疑惑が浮上し、中央党主導の緊急検閲が実施されていることが分かった。韓国の独立系メディア「サンドタイムズ」が14日、複数の対北朝鮮消息筋の話として伝えた。
発端は先月中旬、党中央委員会組織指導部に寄せられた匿名の投書だった。「党大会の代表の座が忠誠心ではなくドルで左右された」との内容で、平壌の貿易機関や建設技術機関における代表選考で金品の授受が横行している具体的な実態が記されていたという。
党中央はこれを重く見て、組織指導部と国家保衛省による合同検閲団を派遣。1月25日から27日までを「非常検閲期間」と定め、関係機関の幹部を集中的に調査した。検閲初日には、貿易機関の副局長や建設技術機関の党書記が職務停止となり、「数日後には職場に残る幹部はほとんどいなくなる」との関係者発言も伝えられている。
検閲の焦点は、選考委員による賄賂の受領に置かれた。金庫や帳簿、私物の手帳などが押収され、特定候補者の名前の横に「5000ドル」「金のネックレス」などと記された記録も確認されたという。これらの資金が「忠誠資金」として上層部に流された可能性も視野に、資金洗浄や換金経路の解明が進められている。
疑惑を受けた幹部と投書者を同席させた対質尋問も行われ、強い圧迫感から体調不良を訴える幹部も出たとされる。併せて、候補者が拠出した外貨の出所調査や経歴詐称の検証も実施され、虚偽申告が発覚したケースでは即座に資格が取り消された。
党中央は最終的に、既存の代表名簿を破棄し、選考を白紙からやり直す決定を下した。従来の幹部推薦方式を改め、末端職員も参加する無記名投票を導入。
一連の検閲は党大会準備の日程にも影響を与え、地方党代表会の開催が大幅に遅れた。消息筋は「同様の不正が各地で摘発され、選考のやり直しが続いている」と指摘する。厳しい統制下に置かれた平壌では、幹部らの会合や会食の中止が相次ぎ、緊張と萎縮が広がっている。現場の職員の間では「浄化への期待」と「体制は変わらない」との冷めた見方が交錯しているという。








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