ロシアによるウクライナ侵攻から4年が近づく中、戦費を支えてきたエネルギー収入が急減し、プーチン政権は深刻な財政難に直面している。

英メディアのインディペンデントが14日付で報じたところによれば、今年1月のロシアの石油・ガス関連税収は3930億ルーブルと、新型コロナ禍以来の低水準に落ち込んだ。

欧米の制裁強化に加え、トランプ米大統領によるインドへの関税圧力や「影の船団」への取り締まりが重なり、制裁逃れの余地は急速に狭まっているという。

この構図は、北朝鮮にとっても他人事ではない。ロシアは2023年以降、砲弾やミサイル、兵員の提供を受ける見返りとして、軍事と民生で様々な支援を北朝鮮に行ってきたとされる。だが、肝心の「原資」である石油マネーが細れば、金正恩総書記に支払う余力も急速に萎む。いまや「金正恩に払うカネなど無い」というのが、モスクワの本音に近いのではないか。

ロシア産原油の価格は、主要指標の北海ブレントに対して約25ドルの大幅値引きを強いられ、12月には1バレル38ドルを下回ったとされる。輸送を担ってきた「影の船団」も、米英EUの制裁指定が640隻に達し、運賃は高騰、取引自体が滞る「ドミノ効果」が起きている。結果として、税収は急減し、プーチン大統領は国内銀行からの借り入れや増税に追い込まれている。

こうした状況下で、北朝鮮への支援が優先される余地は乏しいはずだ。ロシア国内では労働力不足と成長鈍化が進み、今年の成長率予測は1%未満とされる。戦時景気の限界が露呈し、国民生活へのしわ寄せも避けられない。政権維持のためには、まず国内の不満を抑え込む必要があり、対外支援は後回しにならざるを得ないのではないか。

北朝鮮側も、ロシア依存の危うさを自覚しているはずだ。韓国のサンドタイムズなどによれば、北朝鮮内部ではロシア派兵の長期化に伴う動員や物資供出への不満がくすぶり、当局は統制を強めている。だが、ロシアからの見返りが細れば、体制が誇示してきた「戦略的提携」の実利は急速に失われる。

金正恩政権にとって、ロシアは制裁下で頼れる数少ない後ろ盾だった。そのロシア自身が財政的に追い詰められ、戦争継続のコストに耐えられなくなりつつある現実は、北朝鮮にとって二重の打撃となる。兵器と兵士を差し出しても、見返りが期待できないとなれば、派兵継続の大義も揺らぐ。

ロシア経済の失速は、やがて戦争遂行能力の低下に直結する。インディペンデント紙が指摘するように、半年から1年で戦争への姿勢が変化する可能性もある。そのとき、北朝鮮は「使い捨ての同盟国」として切り捨てられるのか。それとも新たな活路を模索するのか。ロシアの窮地は、金正恩体制の将来をも左右する重大な分岐点となりつつある。

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