北朝鮮の金正恩総書記の娘・ジュエ氏はまだ10代前半と見られるにもかかわらず、射撃をしたり戦車に乗ったりと忙しい日々を過ごしている。それも父親の絶対権力を継承するための修行の一環なのだろう。
しかし、本当に権力を継承できるかは「その時までわからない」のが現実だ。彼女が権力を継承するには、越えねばならない関門が多く存在するからだ。
韓国SBSニュースは2024年4月5日、金正恩総書記がジュエ氏とともに視察した軍の空挺部隊の3月15日の降下訓練で事故が発生し、十数人の死者を含む数十人の死傷者が発生したもようだと報じた。
SBSで北朝鮮問題を専門とするアン・ジョンシク記者は当時、朝鮮中央テレビの映像を示しながら、次のように解説した。
「風が強く吹いており、軍人たちが輸送機から飛び降りるやいなや、パラシュートがほぼ水平方向に飛んでいくのを見ることができます。このように強風の中で降下したため、所々、パラシュートが絡まっているような様子が見えます。また輸送機の前方部分に人が引っかかったような姿も見えています」
このような場面を目の当たりにしたとしたら、彼女のメンタルにネガティブな作用があったのではないかと懸念される。
しかし、独裁者への階段を踏んでいくのだとしたら、この程度の体験では済まされない。父の金正恩氏は、大口径の対空機銃で人体を吹き飛ばすという、金日成・金正日時代にも見られなかった処刑方式を「発明」した人物である。
そうした彼の残忍さが恐怖政治にさらなる力を与えているのは、疑いようがない。
そのように維持されてきた体制を継承するには、ある程度、暴力の適性が必要になる。後継者はそれを証明してこそ自らの身の安泰も保障されるのだ。
ジュエ氏が生まれつきの「暴君」であるならいざ知らず、権力の階段を上がるに従って目撃せざるを得ない凄惨な現実に、そのメンタルは耐えられるのだろうか。








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