19日に開幕した朝鮮労働党第9回大会で金正恩総書記が経済政策の成果を誇る中、昨年12月以降、下落基調が続いていた北朝鮮の市場物価が、一斉に上昇に転じている。国境統制の長期化で外貨や物資の不足が深刻化していることが背景とみられる。

デイリーNKの調査によると、平壌市内の市場でのコメ1キロ当たりの価格は1万9600北朝鮮ウォンとなり、今月1日の前回調査(1万5100ウォン)から約3割上昇した。平安北道・新義州でも1万9700ウォンと、2週間前に比べ約31%上昇した。

低所得層の主食であるトウモロコシの値上がりはさらに顕著だ。平壌では1キロ7300ウォンと、今月初めの3900ウォンから約87%急騰。新義州でも7200ウォンと約9割の上昇となった。市場でのトウモロコシ価格が1キロ7000ウォンを超えたのは昨年8月以来という。

昨年秋に収穫された新米の供給が始まった年末以降、穀物価格は下落傾向にあったが、2月中旬に入り急反発した。為替相場の反転や市場への穀物流通量の減少が主因とみられる。国境地帯の密輸取り締まりが続き、国内に流通する外貨や現物が不足していることが、通貨安につながった。両江道の消息筋によると、中国と取引する北朝鮮の貿易業者は、密輸の遮断により商品や代金を受け取れず、資金が滞留しているという。

北朝鮮当局が国境管理を引き続き強化した場合、為替と物価の上昇傾向は当面続く可能性が高い。住民生活への圧迫は一段と強まりそうだ。

編集部おすすめ