ダイヤモンド・ザイは、日本株の総力特集「2017年『株』全予測&正しい儲け方」を掲載している。2017年に日本株に投資するために必要な情報を網羅しているので、個人投資家は必見だ。

今回は特集の一部を抜粋して、中間決算で「通期営業利益の予想を上方修正した株」と「通期営業利益の予想に対して進捗率が高い株」のランキングを紹介! ご存じのとおり、上方修正などのサプライズがあった銘柄への市場の注目度は高く、過去には「サプライズ発表⇒株価が数倍に上昇」となった銘柄もある。ランキングを参考に、2017年の大化け株を探そう!

業績絶好調銘柄を「2つのランキング」でチェック!

 2016年後半から急上昇した日本の株式市場。しかし、上昇スピードが速く、米国の経済やトランプ大統領の動向次第ではいったん大きな調整が入る可能性もある。そんなときにおすすめなのは、業績がしっかり伸びている銘柄を買う、投資の王道に則った方法だ。例えば、特に注目度が高い「通期営業利益の予想を上方修正した株」と「通期営業利益の予想に対して進捗率が高い株」などは、多少の調整が入っても業績に下支えされる可能性も高い。

 そこでここでは「通期営業利益の予想を上方修正した株」と「通期営業利益の予想に対して進捗率が高い株」のランキングを紹介していこう(※データ提供は「FISCOアプリ」。銘柄コメントはフィスコの小林大純さん、若杉篤史さんによるもの)。

 上方修正率1位の「曙ブレーキ工業(7238)」は、高い需要が見込める米国事業の改善で利益率が向上。「ローム(6963)」も欧米で自動車向けの半導体が好調。「東芝(6502)」と「TOWA(6315)」、「平田機工(6258)」も半導体関連だ。2016年年初から、株価はそれぞれ最大で80%上昇、2倍、6倍になった。好調が目立つ半導体関連は今後も要注目だ。

 上方修正率3位の「よみうりランド(9671)」は、自動車や食品、ファッション、文具の4業種のモノづくりが体験できる「グッジョバ!!」が人気。「カドカワ(9468)」は、映画「君の名は。」の関連書籍が好調。社会現象になるほどのヒットで、両社の売上高は想定を大きく上回っている。

◆通期営業利益の予想を上方修正した株! 株価(12/2)単元上方修正率投資判断最新の株価1位 曙ブレーキ工業(7238)290円100株150%強気【分析コメント】米国事業の業績が改善。国内も諸経費削減や合理化推進。2位 日本コークス工業(3315)111円100株125%中立【分析コメント】原料炭・コークス市況が急騰。割安在庫が業績に寄与。3位 よみうりランド(9671)483円1000株113% 強気【分析コメント】「グッジョバ!!」好評で通期情報修正も上期上振れ分のみか。4位 カドカワ(9671)1480円100株94% 強気【分析コメント】大ヒット映画「君の名は。」関連ライトノベル好調。5位 トーヨーカネツ(6369)332円1000株89%強気【分析コメント】機械・ブランドで海外案件の採算改善し、利益押し上げ。6位 あすか製薬(4514)1690円100株80%強気【分析コメント】医療用医薬品(リュープロレリン)やジェネリックが好調。7位 ローム(6963)6240円100株68%中立【分析コメント】半導体は自動車関連が好調で、円安効果にも期待。
8位 安藤ハザマ(1719)778円100株62%中立【分析コメント】第2四半期は土木を中心に受注高が拡大している。9位 川田テクノロジーズ(3443)6910円100株61%中立【分析コメント】鉄骨事業の採算性向上による利益率向上と投資利益が寄与。10位 大崎電気工業(6644)1131円1000株56%強気【分析コメント】電力会社向けスマートメーターと海外事業が好調。

 上方修正率6位の「あすか製薬(4514)」に加え、医薬関連では、対通期営業利益進捗率ランキングで「武田薬品工業(4502)」が1位、「栄研化学(4549)」が8位にランクイン。ジェネリックが好調な「あすか製薬」や、検査薬が好調な「栄研化学」に対して、「武田薬品工業」は、M&Aによる成長を狙うも、カナダ製薬大手との買収が難航との報道に注意。

 ランキングには、「安藤ハザマ(1719)」や「川田テクノロジーズ(3443)」などの建設関連株もランクイン。人手不足や建材価格の高騰などもあり、建設関連は利益率に対する見通しをシビアにしていた。しかし、東京五輪へ向けて、都市整備が本格化する中、好採算の案件のみを引き受ける好業績企業が増加している。

 次に海外事業が好調なのが、「高砂香料工業(4914)」や、「トーヨーカネツ(6369)」だ。円安の追い風もあって、業績を急速に伸ばしてきている。

◆通期営業利益の予想に対して進捗率が高い株! 株価(12/2)単元上方修正率進捗率投資判断最新の株価1位 武田薬品工業(4502)4622円100株120%弱気【分析コメント】M&Aで成長を狙うも、海外大手との交渉は難航。2位 ベネッセホールディングス(9783)3080円100株107%中立【分析コメント】「進研ゼミ」の紙媒体回帰を好感、株価上昇中。
3位 プロネクサス(7893)1041円100株104%中立【分析コメント】第1四半期に売上偏重。情報提供強化追い風も上期想定線。4位 高砂香料工業(4914)3005円100株103% 強気【分析コメント】期初減益予想から一転、前年同期並み確保。海外好調。5位 TOWA(6315)1341円100株94% 買い【分析コメント】上期は中国の伸長等で大きく上振れながら通期据え置き。6位 ユニバーサルエンターテインメント(6425)2994円100株93% 強気【分析コメント】パチスロ好調や原価低減で期初予想から大幅増に。7位 KNT-CTホールディングス(9726)151円1000株91% 中立【分析コメント】個人旅行事業が低調で期初計画下振れも経費削減が奏功。8位 栄研化学(4549)2881円100株86%買い【分析コメント】研究費の期ズレと利益率向上で高進捗。海外展開に期待。9位 EIZO(6737)3505円100株78%強気【分析コメント】ヘルスケア向けやアミューズメント用モニターが伸長。10位 東邦ガス(9533)889円1000株78%弱気【分析コメント】円高恩恵。下期の為替前提は1ドル=110円。
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