デンマークの白人男性・モートンがイスラム教に改宗し、 やがてスパイとなった理由 [橘玲の世界投資見聞録]

 ムスリムの不良たちは、こうした理屈で、アルコールやドラッグ、セックスを好きなだけ楽しんでいたのだ。

 だがそこで転機が訪れる。身に覚えのない銀行強盗未遂容疑で逮捕されてしまったのだ。

 新米のムスリムとして、モーテンは拘置所で豚肉を食べることを拒否した。するとそれを知って、同じ拘置所にいる、スレイマンというムスリムの改宗者が近づいてきた。

「選ばなくちゃいけない」2人で運動場を歩いているとき、スレイマンはモーテンにいった。「アルコールを飲んだり、ドラッグをやったり、善意を持たずに人生を送るようならば、アッラーはおまえを真のムスリムとは認めてくださらない。心はアッラーのおられる聖域だ。だから、アッラー以外の何者も己の心に住まわせてはならない」

 銀行強盗での告発が見送られ、拘置所を出ると、モーテンは暴走族から足抜けするために、スレイマンとともにイギリスに渡ることにした。スレイマンの妻はパキスタン出身で、実家の家族がイギリス中部のミルトン・キーンズで暮らしていたのだ。

 渡英して数週間たった頃、モーテンは勇気をふるって、デンマークにいる恋人に電話をかけた。「いい仕事が見つかった。貯金もしている。きちんとした住まいもある」というモーテンをさえぎって、彼女が叫んだ。「あんたもイスラムもくそ食らえよ。イギリスなんかに住みたくないし、あんたと暮らしたくもない」

 呆然として電話ボックスを出ると、通りの向こうから「アッサラーム・アライクム(あなたに平安あれ)」と声をかけられた。近くで売店を営んでいる中年のパキスタン人で、帽子でモーテンがムスリムだと気づいたのだ。婚約が解消されたことをすこしだけ話すと、男は同情して、「わたしの仕事を手伝ってくれないか。わたしもあんたに手を貸そう。もう若くないので、店の商品や荷物のことで手を貸してもらいだいんだ」といった。

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2017年10月12日の経済記事

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