米国の発明家ディーン・ケーメンが開発し、2001年12月に発表された電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」。セルフバランス機能を備え、電力によって駆動する1人乗り用の乗り物だ。


 ガソリンを使用せず、フル充電すれば40kmもの距離を走ることができることから、発表当初、ビル・ゲイツやアップル社CEOのスティーブ・ジョブズなど、米国IT業界の経営者たちが「人間の移動形態を変える革命的な製品」と絶賛。自動車や自転車に代わる移動手段として注目を浴びた。

 それから7年が経ち、改良に次ぐ改良を重ねて、現在米国では45以上の州で歩道での走行が許可されている。また、ヨーロッパの多くの国でも歩道や自転車道での走行を認める国が増えている。ただ日本では、日本SGI株式会社が国内販売代理店として2006年10月から法人向けにセグウェイを販売しているが、道路交通法などの関係上、一般公道での走行は禁止されたままだ。

 そんな中、現在もっともセグウェイの機能性を活用している場といえば、空港やレジャーランドなどの公共施設だ。

 愛知県の中部国際空港(セントレア)で年内まで実施されている「セグウェイ・ガイドツアー」は、従来は徒歩で実施していた旅客ターミナルツアーのコースを、ガイド兼インストラクターがセグウェイに乗って案内をするというもの。

 栃木県内のゴルフ場、25那須ゴルフガーデンでは、ゴルフバッグキャリアー、芝へのダメージを考慮した専用タイヤを装着したセグウェイを導入。個人用のゴルフカートとして活用している。

 また、沖縄の高級リゾート「カヌチャベイホテル&ヴィラズ」、長崎のテーマパーク「ハウステンボス」などでは、施設周辺、館内、園内を走り抜けるセグウェイの姿を見かけることができる。

 日本SGIでは、犯罪防止や救助活動を目的とした警備・セキュリティモデルを販売しており、ミュージアム、ショッピングセンターなど、多くの屋内外施設用のモデルも発表している。

 このようにセグウェイの使用用途は多様化する傾向を見せているものの、一般生活への浸透度がいまひとつ足りないように感じる。
まだまだ隠れているセグウェイの活用法が広がり、日本においてもセグウェイが身近な存在として根づくことを期待したい。

(筒井健二)

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