「しーじゃとうっとぅ」は沖縄のヤンキーの絶対の掟であり、桎梏 【橘玲の日々刻々】

       

 そんななかで打越氏が発見したのは、「しーじゃ(先輩)とうっとぅ(後輩)」という地元の強いきずなだ。沖縄のヤンキーたちは地元のつながりのなかで生きていたが、それと同時に、まとわりつく「きずな」で身動きがとれなくなっていた。

しーじゃとうっとぅは絶対の掟

 沖縄のヤンキーにとって、しーじゃとうっとぅは絶対の掟で、そこには日常的に暴力がともなった。暴走族としてデビューする中学時代からうっとぅはしーじゃにくるされ(殴られ)、やがて自分に後輩ができると同じようにうっとぅをくるした(殴った)。

 地元の中学を卒業したうっとぅたちは、しーじゃの伝手で建設会社で働くことになる。土木、型枠大工、鳶、左官、鉄筋など、どの職種にするかにうっとぅの適性は関係なく、しーじゃがどこで働いているかでほぼ自動的に決まっていた。しーじゃにとって、うっとぅは遊びにも仕事にも気軽に誘える都合のいい存在だった。

 4、5年勤めても賃金はそれほど上がらないのに、技術を身につけた中堅従業員が建設会社を辞めないのは、新たに入ってくるうっとぅを自由に使えるからだった。仕事も生活もうっとうに面倒をみさせるようになると、転職も他地域への移動もそう簡単にはできなくなる。

 狭い沖縄では、中学時代のしーじゃとうっとぅの上下関係が社会に出てもそのまま続く。建設会社の経営者は「地元つながり」によって従業員同士の安定的な関係を得ることができたし、現場で必要なスキルの多くがこの上下関係をもとに継承されていた。――建設不況によって、いまではこうしたしーじゃとうっとぅの関係もかなり変わった。建設会社からすれば、仕事のできない10代より中堅社員の方が使い勝手がよいため、全体の高齢化が進み、現場では10代や20代の従業員が長続きせずに辞めていくという。

当時の記事を読む

ダイヤモンド・オンラインの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

国内ニュース

国内ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る
2019年4月25日の経済記事

キーワード一覧

このカテゴリーについて

経済、株式、仕事、自動車、金融、消費などビジネスでも役に立つ最新経済情報をお届け中。

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。