140文字で日常をつぶやいていくつぶやきブログ「ツイッター」(Twitter)が、メディアで頻繁に取り挙げられるようになった。

 一般の人たちだけではなく、芸能人や政治家などの有名人も続々と「つぶやき」を始め、今やツイッターは社会現象になっているといってもいいだろう。
あの鳩山首相もアカウントを取得し、秘書を通じてつぶやいているくらいだ。

 そんなツイッターをやっている有名人の1人に、ソフトバンクグループの孫正義社長がいる。当初は「本当に本人なの?」という憶測も飛び交ったが、どうやら本人のよう。

「お風呂からiPhoneで書き込んでいる」というつぶやきに「食品保存用袋に入れると濡れないですよ」という返答が寄せられ、以後そうしているようだ。最近ではNHK大河ドラマ『龍馬伝』を楽しみにしている様子などがつぶやかれている。

 そのソフトバンクが、社員全員でツイッターに参加するようになったようだ。なぜ、孫社長だけではなく、全社を挙げてツイッターを始めたのだろうか?

 実は2010年は、ソフトバンクの創業30周年に当たる節目の年。そこで「次の30年のビジョンを掲げるため、社員全員参加の議論を行なおう」ということになったようだ。その議論の場として、イントラネットのほか、ツイッターも使用するという。

 ツイッターを議論の場に選んだことについてソフトバンクの広報担当に尋ねたところ、「多くの人の間で情報を共有できるインターネットの特長を活かし、全社員が参加できる議論の場を作ることができると考えたから」とのこと。

 ツイッターは閉じられた世界ではないため、外部の人間にも発言を見られてしまうことについては、「ビジョンを語る場なので、見ていただいても一向に構いません」とのことだ。

 企業やショップなどが、社名やショップ名で公式アカウントを取得し、情報を発信するのは珍しいことではなくなった。
だが、企業の社員1人ひとりがツイッターのアカウントを使い、意見を交わしていこうという試みは斬新である。

 もし、あなたの周りにソフトバンクの社員がいたら、ぜひフォローしてみよう。ソフトバンクの「将来の姿」の一端が垣間見えるかもしれない。

 ツイッターは、誰もが参加できる広場のようなもの。それをどのように活用するのかは、使う人次第だ。ソフトバンクは、ツイッターをどんな風に活用し、進んでいくのだろうか? 非常に興味深い。

(三浦一紀)

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