最も夫婦関係が危ない年代は40代――。こんな調査結果を、リクルート(東京都千代田区)が運営するブライダル総研が発表した。
調査は、既婚者および離婚経験のある独身者計1200人を対象に、インターネットで実施。調査対象は首都圏・東海・関西のいずれかに在住する20~60代の男女。調査期間は3月24日~29日。
調査ではまず、既婚の男女それぞれに夫婦関係の満足度を聞いた。満足度が最も高かったのは20代(81%)で、30代(73.5%)、40代(61.0%)と徐々に下降。50代(63.5%)、60代(73.5%)と徐々に盛り返す(「満足度」は「夫婦関係に満足している」という質問に「ややそう思う」「非常にそう思う」と答えた人の割合)。
また、「この先離婚することはない」という質問に「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた人の割合が最も低かったのも40代(男性=61.0%、女性=60%)だった。
40代といえば、一般に「働き盛り」と言われる年代。子どもの教育や親の介護、家のローンなど、家庭内でさまざまな問題が噴出する時期でもある。バブル世代と言われる「現在の40代」だからこそ夫婦関係の悩みを抱える人が多いという推測もできなくはないが、これから40代を迎える20代、30代は、“倦怠期”への心構えをしておいた方が良いのかもしれない。
さらに、実は“隠れ危機”とも言える状況なのが50代。
年代別のデータではないが、夫婦間の満足度の開きに関してヒントとなりそうなのが以下の調査だ。
「配偶者のことを愛している」「配偶者のことを信頼している」などの8項目に関して、「夫の気持ちと、妻が推測する夫の気持ち」「妻の気持ちと夫が推測する妻の気持ち」を比べた。「妻の気持ちと夫が推測する妻の気持ち」はそれほど差が見られなかったのに比べ、「夫の気持ちと妻が推測する夫の気持ち」には、それぞれ10ポイント前後の差が見られた。
具体的には、「配偶者のことを愛している」に「ややそう思う」「非常にそう思う」と答えた夫は77.8%いたのに対し、「夫が自分のことを愛していると思うか」という問いに「ややそう思う」「非常にそう思う」と答えた妻は64.6%。「自分を犠牲にしてでも配偶者を幸せにしたい」に「ややそう思う」「非常にそう思う」と答えた夫は69.8%もいたのにもかかわらず、夫がそう思っていると感じている妻は49.8%しかいなかった。
妻が懸命に行う家事や育児を通して、妻からの「愛情」を感じる夫は多いのかもしれない。しかし、夫が同じように懸命に会社で働くことこそが愛情表現だと思っていたとしても、妻は夫の仕事を間近で見ることはなかなかできない。妻が夫に育児や家事を分担してほしいと願う背景には、夫の“愛情表現”を間近で見たいという気持ちも含まれているように思われる。共働き夫婦は年々増えているが、妻が会社で働いていることを、自分への「愛情表現」と受け止めることができる夫はどれほどいるだろうか。
ちなみに、「配偶者との性生活に満足しているか?」という質問に「そう思う」「非常にそう思う」と答えた男性は40.4%、女性は39.2%。8項目の質問の中で男女ともに満足度が最も低く、ここでは意見が合う結果となった。
(プレスラボ 小川たまか)

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