地元の人はよく知っていても、周囲にはなかなか気づいてもらえない、あるいは注目されない町の魅力も多いはずだ。
では、2014年から18年までの間で全国区の「魅力度」を大きくアップさせたのはどの市区町村なのだろうか。2014年~2018年版のブランド総合研究所の調査から、「市区町村魅力度上昇ランキング」を明らかにしていこう。
このランキングは、47都道府県と国内1000の市区町村を対象にした、認知度や魅力度、イメージなど全84項目からなる『地域ブランド調査』(ブランド総合研究所実施)によるもの。同調査の2018年度版と2014年版における、各市区町村の「魅力度」を比較(2018年度-2014年度の魅力度の数値)することで魅力度を伸ばした市区町村のランキングを作成した。
都道府県魅力度上昇ランキング1位は広島市、2位は仙台市に
まず「市区町村魅力度上昇ランキング」1位は、18年度の魅力度ランキング20位の広島市となった。この5年で、魅力度を16.8点(14年度)から27.8点(18年度)へと11ポイントもアップさせた。
2位は18年度の魅力度ランキング10位の仙台市、同じく2位に魅力度ランキング12位の名古屋市がランクインした。
広島市の魅力度アップの要因は「広島カープ」と「オバマ前大統領」
今回1位になった広島市は、この5年でなぜ魅力度を急上昇させられたのか。魅力度ランキングにおいて、同市は2014年94位、2015年は90位で推移していたが、2016年以降、急速に魅力度の順位を上げている。
「『広島東洋カープ』と『オバマ前大統領の来日』の2つが、魅力度アップの最も大きな要因」と語るのは、同調査を行うブランド総合研究所の田中章雄社長だ。
実は広島市の魅力度は、カープのセ・リーグでの順位の推移、14年(3位)→15年(4位)→16年(1位)→17年(1位)→18年(1位)に沿う形で伸長しており、セ・リーグで優勝した16年に魅力度ランキングの順位は49位へと急上昇した。
そして、2016年5月27日に、オバマ前大統領が現職のアメリカ大統領として初めて広島を訪問したことで、翌17年の魅力度ランキングの順位は34位へとアップしている。オバマ前大統領は来日時に核兵器の廃絶を訴え、その様子は海外でも注目を集めた。
「近年では、SDGs(持続可能な開発目標)や環境問題、CSRへの関心が強まっていますが、その中で“平和の象徴”ともいえる広島への注目も高くなっています。オバマ前大統領の来日がきっかけではありますが、外国人観光客が増えているのもそうした影響でしょう」(田中社長)
広島市の観光意欲度に注目すると、18年のスコアは40.1点と過去最高を更新して20位になっている。14年のスコアである27.5点と比較しても、大きく上昇していることがわかる。
現在、全国に1700以上あるといわれる市区町村。県庁所在地やメジャーな観光地がなければ知名度を上げることは非常に難しいが、あるきっかけで一気に全国区になる可能性がある。そのきっかけを逃さずに、いかにブランド価値を保ち続けられるか。それも市区町村がこれから生き残る1つのカギになりそうだ。
(ダイヤモンド編集部 林 恭子)

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