ワタミの株主優待は、毎年9月末と3月末時点の株主を対象に実施されており、内容は「100株以上を保有する株主に、保有株数に応じて、自社グループの飲食店や宅食サービスで利用できる『優待券』を年2回贈呈」というもの。
今回の発表によると、ワタミは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休業への対応として、2019年9月末の株主に贈呈していた「優待券」の有効期限を2カ月延長するとのことだ。当初の有効期限は「2020年5月末」だったが、「2020年7月末」まで延長される。
ほかにも、外食産業では優待券などの有効期限を延長する企業が増加している。また、コロワイドのように、自社グループでの食事に利用できる「株主優待ポイント」を一時的に増額し、新型コロナウイルスの感染拡大によって冷え込んだ外食業界に活力を与えることを目指す企業も。今後、このほかの外食優待株にも何らかの動きが出てくる可能性があるため、注意して情報収集をしよう。
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ワタミの2020年4月13日時点の株価(終値)は938円なので、株主優待利回りは以下のようになる(※株主優待は年2回、受け取るものとする)。
(100株保有の場合)
投資金額:100株×938円=9万3800円
優待品:優待券6000円分
株主優待利回り=6000円÷9万3800円×100=6.39%
(300株保有の場合)
投資金額:300株×938円=28万1400円
優待品:優待券1万2000円分
株主優待利回り=1万2000円÷28万1400円×100=4.26%
(500株保有の場合)
投資金額:500株×938円=46万9000円
優待品:優待券1万8000円分
株主優待利回り=1万8000円÷46万9000円×100=3.83%
(1000株保有の場合)
投資金額:1000株×938円=93万8000円
優待品:優待券2万4000円分
株主優待利回り=2万4000円÷93万8000円×100=2.55%
ワタミの株主優待は、自社グループでの飲食代の支払いや、「ワタミの宅食」の支払いに利用できる「優待券」。2020年1月の段階で株価は一時1300円以上あったが、「コロナ・ショック」の影響により、4月6日には年初来安値の734円まで株価が急落。その後、株価は多少持ち直しているものの、株主優待利回りは100株保有時で6.39%と高水準だ。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大、それに伴う緊急事態宣言などによって、業績がどれくらい悪化するかは不透明なので、投資する前によく検討する必要があるだろう。
なお、ワタミは居酒屋チェーンの展開や、高齢者向けの宅食サービスなどを手掛ける企業。2020年2月13日時点で発表している2020年3月期(通期)の連結業績予想は、すべて前期比で売上高1.6%増、営業利益3.5%増、経常利益5.7%増、当期純利益63.6%減。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。