ANAホールディングスは、2020年3月期の期末配当を「1株あたり0円」(無配)に修正すると発表した。なお、ANAホールディングスは期末配当にて年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としているため、2020年3月期の年間配当も「無配」となる。
2020年3月期の配当の前回予想は「1株あたり75円」だったので、前回予想より「75円」の減配となる。今回の減配(無配)発表により、ANAホールディングスの配当利回り(実績)は3.14%⇒0%に大幅にダウンした。
また、ANAホールディングスの2019年3月期の配当は「1株あたり75円」だったので、前期比でも「75円」の大幅な減配となる。なお、ANAホールディングスの配当が「無配」になったのは2010年3月期以来、10年ぶりとなる。
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ANAホールディングスは、期末配当を「無配」とした理由を「新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響は甚大であり、収束時期も見通せていないことから、手元流動性を確保することが喫緊の課題であるため」としている。
なお、ANAホールディングスの2021年3月期の業績予想および配当予想は、「新型コロナウイルス感染症による影響を現時点で合理的に算定することが困難」なことから「未定」となっている。
ちなみに、2020年4月30日には同業の日本航空も期末配当の「無配」を発表している。
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ANAホールディングスは、2011年3月期からは緩やかな増配傾向だったが、2020年3月期は2010年3月期以来、10年ぶりの「無配」となった。
なお、ANAホールディングスは「可能な限り早期に復配できるよう努める」としている。
ANAホールディングスの2020年4月28日時点の株価(終値)は2387円なので、配当利回り(実績)は以下のようになる。なお、2021年3月期の配当予想は「未定」のため、配当利回り(予想)も「未定」となる。
【※ANAホールディングスの配当利回り(減配発表前)】
株価:2387円
年間配当額:75円
配当利回り=75円÷2387円×100=3.14%
【※ANAホールディングスの配当利回り(減配発表後)】
株価:2387円
年間配当額:0円
配当利回り=0円÷2387円×100=0%
2020年3月期の配当を「無配」としたことで、ANAホールディングスの配当利回りは0%となった。ちなみに、2020年3月の東証1部の平均利回りは2.41%(配当実施企業のみ)となっている。
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なお、ANAホールディングスは株主優待を実施しており、その内容は「100株以上の株主に、保有株数に応じて、国内線片道1区間を株主優待割引運賃で利用できる『株主優待番号ご案内書』を贈呈。そのほか、100株以上の株主に『ANAグループ優待券』を贈呈(いずれも×年2回)」というもの。なお、2020年3月期の配当は「無配」となったものの、株主優待に関しては「廃止」や「変更」の発表はなく、2019年3月期に実施済みの株主優待の有効期限の延長が発表されている。
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ANAホールディングスは、航空事業を中心とするANAグループの持株会社。国内航空会社でNo.1のマーケットシェアを誇る。2021年3月期(通期)の連結業績予想は、「新型コロナウイルス感染症による影響を現時点で合理的に算定することが困難であることから未定」としている。
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