NTTが発表した2020年3月期の決算短信によると、2021年3月期の予想配当は中間配当(9月)が「50円」、期末配当(3月)が「50円」、合計の年間配当額は「1株あたり100円」となっている。
NTTの2020年3月期の配当は「1株あたり95円(分割調整後)」だったので、前期比で「5円」の増配となる。今回の増配発表によって、NTTの配当利回り(予想)は4.03%⇒4.24%にアップした。
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NTTは配当予想を前期比で「増配」の「1株あたり100円」と明示しているものの、業績予想については、「新型コロナウイルスの影響を合理的に算定できないことから、現時点での開示を見送る」としているので、今後の開示情報には注意しておきたい。なお、新型コロナウイルスの影響については、「新規SI受注や各種サービス販売等に影響が出ると想定している」とのこと。
また、NTTの営業利益の約5割を占めるNTTドコモの2021年3月期の配当は「横ばい」の予想となっているが、KDDIやソフトバンクなどの同業他社は「増配」を発表しているので、こちらでチェックしておこう。
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(予想)
NTTは2012年3月期から連続「増配」を継続している。そのため、2021年3月期の配当予想「1株あたり100円」が予想通りに実施されれば”10期連続増配”を達成することになる。ちなみに、NTTは配当政策について「継続的な増配を基本的な考え」としている。
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また、NTTの配当額の伸び具合にも注目しておきたい。連続増配が始まる直前の2011年3月期から2021年3月期までの10年間で、NTTの年間配当額は「1株あたり30円」から「1株あたり100円」まで、3.3倍に増加している。
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配当が増えているということは業績が好調な証拠でもある。
■NTT(9432)の株価チャート/月足・10年
NTTの配当利回りは?NTTの2020年5月15日時点の株価(終値)は2356.5円なので、配当利回り(予想)は以下のようになる。
【※NTTの配当利回り】
株価:2356.5円
年間配当額:中間50円+期末50円=100円
配当利回り=100円÷2356.5円×100=4.24%
NTTの配当利回りは4.24%。2020年4月の東証1部の平均利回りは2.28%(配当実施企業のみ)なので、NTTの配当利回りは「かなり高め」と言えるだろう。なお、NTTは株主優待を実施していない。
NTT(日本電信電話)は、NTTドコモやNTT東日本などを統括する、通信事業を主軸とするNTTグループの持株会社。2021年3月期(通期)の連結業績予想は、「新型コロナウイルスの影響を合理的に算定できないことから、現時点での開示を見送る」としている。
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