FOOD & LIFE COMPANIES
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い外食企業ランキング」を作成した。
本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。
早速、ランキングを見ていこう。
1位は回転ずし「スシロー」などを運営するFOOD & LIFE COMPANIESで、平均年収は751.5万円(平均年齢41.1歳)となった。
同社はコロナ禍で巣ごもり需要が拡大する中、21年4月に、吉野家ホールディングスから、持ち帰りずし専門店「京樽」や回転ずし「海鮮三崎港」を展開する京樽を買収。社名をスシローグローバルホールディングスからFOOD & LIFE COMPANIESに変更した。
こうした施策などの結果、ランキングの対象年度となった2021年9月期の業績は、コロナ禍にもかかわらず、売上高に当たる売上収益は前期比17.5%増の2408億円、当期利益は同104.2%増の132億円を計上した。
ただし、円安や水産資源の減少などによる食材調達コスト、物流費、人件費などの高騰など、足元の事業環境は厳しく、さらに今年1月には、「スシロー」店内で、少年が卓上に備え付けてあったしょうゆ差しの注ぎ口をなめる動画が拡散する問題も起きた。
こうした中、23年9月期の上半期(22年10月~23年3月)の国内スシロー事業の売上収益は前期比12.1%減の987億円と苦戦。ただし、海外スシロー事業が好調なことから全社の売上収益は前期比2.2%増の1433億円を計上している。
なお、「コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングスは社員数が20人未満のため、今回のランキング対象から外れたが、同社の平均年収は956.9万円(平均年齢47.8歳)と、外食企業では突出している。
トリドールHDと日本KFCHDが2位で平均年収は724万円
2社の平均年収が同額で2位となった。
1社目は「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングスで、平均年収は724.0万円(平均年齢39.2歳)だった。
22年3月期は、国内でテイクアウト商品を積極投入したり、不採算店を閉鎖するなどの経営効率化に注力。また、海外ではアジアや英国で出店を加速。こうした取り組みの結果、売上収益は前期比13.8%増の1534億円。さらに当期利益は、前期の55億円の当期損失から90億円へとV字回復し、過去最高を達成した。
もう1社は「ケンタッキーフライドチキン」を展開する日本KFCホールディングス。平均年齢はトリドールHDを5.5歳上回る44.7歳だった。
22年3月期は49店舗を新規出店、189店舗を改装、さらにデリバリーサービス実施店舗を597店舗へと拡大するなど、攻めの施策を行なった結果、売上高は前期比8.8%増の975億円、当期利益は同62.4%増の46億円の好決算となった。
4位は「吉野家」「はなまるうどん」などを展開する吉野家ホールディングスで、平均年収は706.7万円(平均年齢49.6歳)となった。
テイクアウトやデリバリーの需要拡大に伴い、22年2月期の「吉野家」事業の売り上げは前期比1.4%の1070億円、「はなまる」事業の売り上げは前期比8.3%増の214億円、さらに海外事業は前期比15.2%増の225億円と好調だった。
しかし、前述の通り、京樽を売却したことで、全体の売上高は前期比9.8%減の1536億円。一方、当期利益は81億円と、前期(75億円の当期損失)から大きく改善した。
5位は「サンマルクカフェ」などを展開するサンマルクホールディングスで、平均年収は684.4万円(平均年齢45.2歳)となった。
なお、外食大手の日本マクドナルドホールディングスは単体の従業員数0人の純粋持ち株会社のため、今回のランキング対象外となった。
ランキング完全版では、6位以下を含む全89社の順位と平均年収を掲載している。
各社の順位と平均年収はどうなっているのか。ぜひ、確認してみてほしい。
(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)