今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って「年収が低い会社ランキング2024【中国&四国地方】」をお届けする。
対象は、中国・四国地方(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)に本社を置く上場企業。
それでは早速、ランキングを確認していこう。
1位は虫歯治療の「詰め物」など歯科技工物の自動化生産技術を開発し、義歯関連や入れ歯洗浄商品のほか3Dプリンターの販売などを行うデンタス(徳島県徳島市)で、平均年収は270.5万円(従業員数28人、平均年齢44.8歳)。
23年版の同ランキングには入っていなかったものの、22年版では平均年収260.9万円(従業員数31人、平均年齢41.6歳)で今回同様のワースト1位だった。
今回のランキングの対象となった24年3月期の業績は、売上高8.5億円(前年同期比4.2%減)、営業赤字4800万円で最終赤字4300万円だった。ちなみに前年の23年3月期も2700万円の最終赤字で、同社が株式上場した16年3月期以降、最終赤字が続いている。
同社は、円安や地勢学的リスクによる金属など原材料費の高騰等で厳しい経営状況が続いており、目下、経営体制の見直しと赤字の早期解消に向けた経費の見直しのほか、歯科技工現場の経営合理化を進めている。また、新規事業としてマウスピース矯正事業を開始したともいう。
25年3月期の最終損益は1000万円の黒字を見込むが、長らく経営状況が厳しい以上、黒字回復したとしても、年収アップにつながるまでは時間がかかりそうだ。
2位は販売促進用商材のEC(電子商取引)サイトの運営や、のぼり旗、看板などの広告商材の製造販売を行うイタミアート(岡山県岡山市)で、平均年収は316.8万円(従業員数100人、平均年齢28.3歳)。24年4月8日に東証グロース市場に上場したため、今回が初めてのランキング掲載となる。
今回のランキングの対象となった24年1月期の業績(個別)は、売上高31.1億円(前期比24.2%増)、営業利益1.9億円(同69.2%増)、純利益1.5億円(同66.8%増)で増収増益だった。
3位はマルクで年収353.7万円、4位はマルヨシセンターで385.0万円3位は障がい者の就労支援や障がいのある子どもたちの放課後等デイサービスを行うマルク(愛媛県松山市)。平均年収は353.7万円(従業員数97人、平均年齢33.6歳)だった。23年版の平均年収322.0万円(従業員数96人、平均年齢33.6歳)から30万円強の増加となり、ランキングは前回のワースト1位からランクダウンしている。
4位は香川県や徳島県、兵庫県にスーパーマケット35店舗、レストラン1店舗を展開するマルヨシセンター(香川県高松市)で、平均年収は385.0万円(従業員数397人、平均年齢44.4歳)。23年版の平均年収448.0万円(従業員数399人、平均年齢43.5歳)から63万円の減少となり、ランキングは前回のワースト20位から大きくランクアップした。
5位は電気製品が発するノイズ(余計な電波や電気の揺れ)を減らすために使われる部品「フェライトコア」やコイル・トランス製品といった電子部品の製造販売を手掛けるトミタ電機(鳥取県鳥取市)で、平均年収は386.5万円(従業員数37人、平均年齢47.4歳)。23年版の平均年収437.0万円(従業員数40人、平均年齢48.2歳)から50万円以上の減少となり、こちらもランキングは前回のワースト18位から大きくランクアップした。
平均年収が200万円台だったのは、1位のデンタスのみ。なお、300万円台以下は8社だった。
ランキング完全版では、6位以下の全100社の順位と平均年収を掲載している。身近な企業の順位と平均年収は、どうなっているのか。
(ダイヤモンド・ライフ編集部)