近年の就活市場は「売り手市場」と呼ばれ、就職率が過去最高レベルに達しており、就活の早期化も進んでいる。そんな中で就活をした主要大学の学生は、どのような企業・団体を選んだのか。
2023年は建設系が上位
24年はどうなった?
日本大学は、16学部86学科、短期大学部3学科、通信教育部4学部、大学院19研究科、2つの独立研究科を擁する日本最大級の総合大学だ。
文系・理系だけでなく、芸術系や医療系など幅広い分野を網羅している点が特徴である。建築・土木、法学、芸術分野などに強みを持ち、各業界との連携も深い。全国にキャンパスを展開し、学生数(学部・通信教育部)は約7万4000人と非常に多く、多様な価値観や進路が共存する環境が整っている。
2023年の日本大学の就職ランキングを振り返ると、1位は大和ハウス工業、2位はシステナ、3位は大成建設で、特に建設系が上位に来ていた。
24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。

建設、流通、メーカー…
マンモス校ならではの多彩さ
24年の就職先ランキングでは、1位は大成建設、2位は、大和ハウス工業、3位はイオンリテールとJR東日本が同順位だった。
上位の就職先を分類すると、建設業を筆頭に業界の多彩さが特徴的だ。
建築系学生の就職先として定番で、特にゼネコンや大手住宅メーカーに強い。建築・土木系学部が充実しており、業界との太いパイプが存在していることがうかがえる。
流通・小売りは、もともと大量採用を行う業界であり、文系学生が多く進む傾向がある。
生活基盤を支えるインフラ・交通の大手企業は、安定志向の強い学生に人気だ。
業界の多彩さは、地に足のついた堅実な就職志向と、学部の多様性を併せ持つマンモス大学ならではの就職傾向を象徴している。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。
【ランキング表の見方】
2024年春の大学別の主な就職先。上位3位以内の企業・団体を掲載。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学により、一部の学部・研究科、大学院修了者を含まない場合がある(調査/大学通信)