平均年収は総合商社並み?
1700万円超の企業名は
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング2024【平均年齢30代・従業員100人未満】」を作成した。
対象は上場企業で、単体の従業員数が100人以上の企業は除外している。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。
早速、ランキングを確認していこう。

1位となったのは地主で、平均年収は1718.3万円、従業員数は60人、平均年齢は38.8歳。
同社は2022年1月に日本商業開発が社名変更してできた会社だ。特定の業態やテナント専用の建物を所有するのはリスクがあるという考えから、土地だけに投資するというスタイルを確立。土地を購入してテナントに20~30年程度の長期契約で貸したり、貸している土地を地主リートという不動産投資商品にして販売したりする「JINUSHIビジネス」を行っている。
前回の「年収が高い会社ランキング2023最新版【平均年齢30代・従業員100人未満】全200社完全版」でも1位だったが、今回、平均年収はさらに21.2万円の上昇となり、唯一の1700万円台となった。
もちろん従業員の規模が違うので単純比較はできないが、平均年収1700万円台といえば、高額年収の代表業種である商社にも比肩する。「年収が高い会社ランキング2024【全1001社・完全版】1500万円超が13社!」にあるように、住友商事(平均年収1758.8万円、従業員数5020人、平均年齢43.1歳)、伊藤忠商事(平均年収1753.6万円、従業員数4098人、平均年齢42.3歳)をわずかに下回る水準だ。
2位は投資ファンドのインテグラルで、平均年収は1657.5万円、平均年齢は38歳、従業員数は71人。同社は2023年9月に株式上場したため、ランキングの対象となるのは今回が初めてとなる。
3~5位の企業も
平均年収は1000万円超
3位は、大阪府に本社を置くファーストステージで、平均年収は1192.6万円、従業員数72人、平均年齢32.8歳だ。
同社は大阪市内に投資用物件を多く持ち、マンション分譲や賃貸・建物管理を主力事業とする企業だ。
前回のランキングでは2位(平均年収は1068.8万円、平均年齢は34.8歳)だった。順位は落としたものの、平均年収は約124万円もの上昇となった。
4位はオープングループで、平均年収は1097.3万円、従業員は16人、平均年齢は38.1歳。
同社は2000年創業で、ソフトウエアがパソコンのデータ入力などの作業を担う「ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)」事業などを手掛けている。2024年6月に旧社名のRPAホールディングから社名変更した。
5位はプロパストで、平均年収は1006.7万円、従業員は44人、平均年齢は39.9歳。
同社はデザイン性の高いマンション開発で知られる不動産デベロッパーだ。2010年5月、民事再生法の適用を申請したが、上場は維持。同年10月にデットエクイティスワップや債務免除で経営再建を行ってきた。現在の筆頭株主は同じく不動産業のシノケングループだ。
今回のランキングではトップ5の全てが年収1000万円超であり、そのうちの1、3、5位を不動産会社が占める結果になった。
なお6位以下には、地銀最大手である横浜銀行などを傘下に持つコンコルディアFG、国内飲料大手のダイドーグループHD、大井競馬場や東京サマーランドなどの事業を行う東京都競馬、井村屋グループなどがランクインしていた。
(ダイヤモンド・ライフ編集部 松本裕樹)