就職率が過去最高レベルに達している就活市場。「売り手市場」の中、各企業はどの大学から採用しているのか。
2023年は早慶がトップ
24年はどうなった?
通信業界では、従来の携帯通信料金だけでは収益が不十分となり、各社は非通信分野に注力している。
ドコモグループ、KDDI、ソフトバンクは、それぞれ金融・ポイント経済圏、EC、地方創生など多角的な新規事業を展開しており、他業種との連携やスーパーアプリ化も進んでいる。通信インフラの維持には莫大なコストがかかるため、収益源の多様化は急務である。
また、通信とITは密接に結びついており、通信企業もITエンジニアの内製化を進める中、ビジネス感覚や課題解決力を持つ人材が求められている。新たな価値創出の場としての可能性も広がっている。
2023年の3大通信キャリアの「採用大学」ランキングでは、トップはドコモグループとKDDIでは早稲田大学、ソフトバンクは慶應義塾大学だった。
24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。561大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科、大学院修了者を含まない場合がある(調査/大学通信)
3校で早稲田大学がトップ独占
総合職と技術職の二本柱
ドコモグループのランキングでは、早稲田大学が51人でトップ、次いで慶應義塾大学(34人)、明治大学(31人)が続き、首都圏私大の存在感が際立つ。
KDDIは早稲田大学がトップ、2位が京都大学、3位は上智大学と明治大学が並んだ。首都圏私大の人材を積極的に採用している傾向が読み取れる。
ソフトバンクは早稲田大学を筆頭に、明治大学、慶應義塾大学が続き、トップ3はドコモグループと同じ顔触れだった。結果として、3大通信キャリアは3校とも早稲田大学がトップを独占した。
3社とも4位以下では理系大学も多くランクインしており、通信・IT業界特有の「総合職+技術職」の二本柱採用が見て取れる。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。