1位になった企業は?
なんと平均年収1300万円超
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い医薬品会社ランキング2024」を作成した。
対象は上場企業で、単体の従業員数が50人未満の企業は除外している。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。
早速、ランキングを確認していこう。

1位は、がん、血液疾患、ウイルス感染症を中心とする希少疾患に特化した新薬開発を行うシンバイオ製薬(東京都港区)。平均年収は1327.3万円(従業員数103人、平均年齢は54.2歳)だった。
同社は23年版のランキング2位で、平均年収は1208.2万円(従業員数118人、平均年齢は52.1歳)だった。今回、23年版よりも1ランクアップし、平均年収は119.1万円上げている。
ランキングの対象となった23年12月期の業績(連結)は、売上高55億8900万円(前年同期比44.1%減)、営業損失8億1100万円(前年同期は営業利益19億6300万円)、純損失19億6200万円(前年同期は営業利益11億7900万円)で減収減益だった。
後発医薬品の浸透による主力製品「トレアキシン」のシェア減と薬価下落および、ベンダムスチン(トレアキシンの主成分)の処方控えなども業績悪化に影響した。
後者に関しては、ベンダムスチンのような抗がん剤を投与すると、免疫力を大きく下げるため、治療中や直後に新型コロナウイルスに感染した場合に重症化や合併症のリスクが高まるため、それを避けるという理屈だ。
なお、営業損失、純損失が生じ、減収減益の状況は直近の25年12月期第2四半期決算でも継続している。
2位は中外製薬で1198.1万円
3位は第一三共で1113.5万円
2位はがん領域と骨や関節の免疫疾患領域に強みを持つ中外製薬(東京都中央区)。スイス発の世界的医薬品メーカー・ロシュグループ傘下にありながら自主独立経営を続ける異色の医薬品大手だ。今回、平均年収は1198.1万円(従業員数4903人、平均年齢42.6歳)だった。
同社は23年版のランキング1位で、平均年収は1214.4万円(従業員数5103人、平均年齢は43.4歳)だった。今回は、23年版よりも1ランクダウンし、平均年収は16.3万円下げている。
ランキングの対象である23年12月期の通期決算は、売上高1兆1113億6700万円(前年同期比11.8%減)、営業利益4391億7400万円(同17.7%減)、純利益3254億7200万円(同13.1%減)で減収減益だった。
3位は、感染症や循環器の薬に強みを持つ第一三共(東京都中央区)。英バイオ医薬企業のアストラゼネカと提携し、がん領域を開拓している企業だ。平均年収は1113.5万円(従業員数5817人、平均年齢45.5歳)だった。
同社は23年版のランキングでも3位で、平均年収は1120.0万円(従業員数5756人、平均年齢は45.3歳)だった。今回、23年版と順位は変わらないが、平均年収は6.5万円下げている。
4位は前立腺がん治療薬「イクスタンジ」が主力のアステラス製薬(東京都中央区)で、平均年収1110.4万円(従業員数4806人、平均年齢42.7歳)。
5位は武田薬品工業(東京都中央区)。がんや消化器、希少疾患などに強い国内の医薬品首位メーカーだ。
平均年収は1081.3万円(従業員数5474人、平均年齢43.3歳)だった。
6位以下は、平均年収1000万円台が2社、900万円台が6社、最多の800万円台が11社、700万円台が9社、600万円台が7社、500万円台が4社、400万円台が3社となっている。
ランキング完全版では、全47社の順位と平均年収を掲載している。
エーザイや大塚ホールディングス(HD)、ロート製薬、ツムラなどがランクインした。ぜひ、完全版もチェックしてみてほしい。
(ダイヤモンド・ライフ編集部)