就職率が過去最高レベルに達している就活市場。「売り手市場」の中、各企業はどの大学から採用をしているのか。
2023年は早慶がトップ
24年はどうなった?
日本の小売り業界は、2025年も回復基調を維持している。訪日外国人観光客(インバウンド)の増加や購買単価の上昇が、百貨店や高級ブランド、ポップカルチャー商品などの売り上げを押し上げている。
一方、EC市場も勢いを増しており、その利便性が消費者の支持を集めている。そのため、小売り業はオムニチャネル化を進めており、オンラインと実店舗を融合させた体験の提供が不可欠となってきている。
2023年の小売り大手2社の「採用大学」ランキングでは、アパレル販売店「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリンググループの1位が慶應義塾大学、家具・インテリア販売のニトリは早稲田大学だった。
24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。561大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科、大学院修了者を含まない場合がある(調査/大学通信)
ファストリは早稲田がトップ
ニトリは関関同立が上位独占
ファーストリテイリンググループのランキングでは、早稲田大学がトップとなり、法政大学、慶應義塾大学が続いた。早慶、MARCHといった首都圏の私立大学が上位にランクインしており、文系総合職を中心とした幅広い採用戦略が見て取れる。
私立文系大学が中心となっている点は、ファーストリテイリングの採用方針を象徴している。店舗運営、グローバル事業、企画・マーケティングなど、ビジネス分野に強い人材が求められていると推察できる。
ニトリは、立命館大学、関西学院大学、同志社大学がトップ3を占める。関西エリアでの採用活動の強化や、全国展開を担う即戦力人材の確保が背景にあると考えられる。店舗運営やマネジメント職、営業・マーケティングなどにおいて、即戦力型の文系人材を重視する傾向が顕著だ。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。