人材流動化が進む中、多くの企業が早期離職に課題を感じている。オープンワークは勤続5年以上の社員による評価を分析し、「人材育成力」と「士気の高さ」で企業をランキング化。
社員が長く勤めている
定着率の高い会社の特徴は?
近年、人材の流動性が高まり、転職を選択する労働者は増加傾向にある。一方、多くの企業は慢性的な人手不足に直面しており、新規採用の難易度や採用コストの上昇が続くなか、既存社員の定着率向上は避けて通れない課題となっている。
社員・元社員によるクチコミサイト「OpenWork」を運営するオープンワークは、早期離職を乗り越え、勤続5年以上となった現職社員がOpenWorkに投稿した会社評価レポートを対象に、「人材の長期育成」と「社員の士気」の合計スコア(10点満点)を分析、ランキングした。
ランクイン企業の社員クチコミをもとに、働く意欲を失い必要最低限の業務だけをこなす「静かな退職」や、現状に甘んじて成長を止めてしまった「ぶら下がり社員」とは異なり、高いモチベーションを持って働き続ける社員が多い職場の共通点や、社員の定着に寄与する組織文化・制度の傾向を明らかにする。

注:ランキングのデータは、2005年以降に入社した在籍5年以上の現職社員によるOpenWork上の投稿を集計。対象企業数は6384社。順位は小数点5位までの結果。対象者・集計期間を限定しているためOpenWorkの各企業ページで掲載している企業評価点とは異なる。
「辞めやすい業界」のはずが…
“定着しやすい”意外な企業群は?
前頁の表は、勤続5年以上の現職社員が「人材の長期育成」と「社員の士気」を評価する企業を調査したランキングだ。1位にマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社、2位にマーケティング・PR支援を行うトレンダーズ、3位に三井不動産、4位にボストン・コンサルティング・グループ、5位にセールスフォース・ジャパンがランクインした。
業界別では、上位5社のうち2社をコンサルティング企業が占めている。コンサルティング企業は、成長志向が高い人材が多く、さらなるステップアップを求めて比較的短期間で離職するイメージを持たれやすい。
以下のランクイン企業のクチコミからは、社員が挑戦したいキャリアや業務を実現するための制度とサポート姿勢が両立していることがうかがえる。
「自身がこの会社で何をしたいのかをよく問われ、やりたいことを主張し続ければ幅広く手厚く支援を受けることができる。日々のフィードバックから、キャリア形成の相談まで、問題解決が好きな優秀な上司の支援を受けられるのは非常に恵まれた環境だと思う」(コンサルタント、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社)
近年、若手を中心に、入社時の配属先が希望と大きく異なる「配属ガチャ」を敬遠する傾向が強まっている。
今回ランクインした企業においては、営業職で入社すればそのまま営業組織の管理職へ進むといった固定的なキャリアパスではなく、社内で別の部署の仕事に挑戦できる「社内兼業」や、希望するポジションに応募できる「公募制度」といった仕組みを整備し、多様なキャリア形成を可能にする環境が評価されていると考えられる。