「180万円超」の大幅アップ!
ランキング1位の企業は?
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い小売り企業ランキング2024」を作成した。対象は上場企業で、単体の従業員数が50人未満の企業は除外している。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。
それでは早速、ランキングを確認していこう。

1位となったのは、ユニクロなどを手がけるファーストリテイリング。平均年収は1147.6万円だった。
前年の同テーマのランキングでも1位となった同社(詳しくは『年収が高い小売り企業ランキング2023【92社完全版】イオンは6位、1位は?』参照)だが、このとき対象となった22年8月期の平均年収は959.4万円だった。
今回対象となった23年8月期の平均年収は、前年から180万円超アップしている。
ファーストリテイリングは23年3月、国内の従業員を対象に賃金の引き上げを行った。これにより、同社が従業員に付与している「グレード」に基づく報酬水準は最大で40%アップしたという。
こうした賃上げの効果もあって平均年収は大幅に増加し、1000万円を超えた。
2位は、ディスカウントストア大手のトライアルホールディングス(HD)で、平均年収は1087.1万円だった。今回のランキングで平均年収1000万円を超えたのは、上位2社のみだった。
同社は24年3月に東証グロース市場に新規上場した企業で、今年7月にはスーパー大手の西友を約3800億円で買収したことでも話題となった。
インバウンド増加で
業績好調の百貨店もランクイン
3位には、阪急阪神百貨店を展開するエイチ・ツー・オー リテイリングがランクイン。
コロナ禍からの人流回復、インバウンドの増加もあって業績は好調。今回対象となった24年3月期では、売上高6574億円(前期比4.7%増)、営業利益262億円(同130.0%増)、純利益219億円(同33.7%増)と増収増益だった。
4位は三越伊勢丹ホールディングスで、平均年収は883.3万円だった。
エイチ・ツー・オー リテイリングと同じくインバウンド増加などの好影響もあり、24年3月期は売上高5364億円(前期比10.1%増)、営業利益544億円(同83.6%増)、純利益556億円(同71.7%増)と増収増益だった。
5位の綿半ホールディングスは、長野県を中心にホームセンターと食品スーパーを融合した「スーパーセンター」を展開している企業だ。平均年収は863.5万円だった。
今回のランキングで平均年収が700万円以上となったのは、27社だった。イオンやセブン&アイ・ホールディングスなど、そのほかの小売り大手企業は何位にランクインしたのか。
完全版では全200社のランキングを公開している。ぜひ、チェックしてみてほしい。
(ダイヤモンド・ライフ編集部)