日本語教師としてインドネシアと出会い、2005年からグローバル人材紹介会社JACリクルートメントで日系企業・日本人求職者のサポートを担当。ジャカルタ在住8年の長野さんが、活気・熱気あふれるメトロポリタン・ジャカルタの今をお伝えします!

 今回は、ジャカルタの住宅事情についてご紹介したいと思います。

日本人には馴染み深いマンションタイプ・アパートメント

 インドネシアでは「アパートメント」といういい方をします。ジャカルタの中心部や中心部を囲むエリアにさまざまなアパートメントがあります。

 ほとんどのアパートメントにはプール・スポーツジムなどの施設が整っていて、日本のマンションのイメージよりも高級感あるつくりのものが多いと思います。

 家賃はエリアによりますが、ジャカルタ中心部から近いところで、30~60平米前後の部屋で月500~1500ドル(5万~15万円)、100~150平米前後で月2000~4000ドル(20万~40万円)程度。インドネシアの物価から考えると高額ではありますが、ある程度の規模の企業でに勤めているインドネシア人なら、このぐらいの家賃のアパートメントに住むことが可能になってきました。

 日本のマンションと違うのは家具や家電が部屋に備え付けられていることです。部屋の大家さんによってインテリアの趣味がかなり違うので、なるべく多くの物件を見て、気に入る間取り・インテリアの部屋を探す必要があります。

 設備で何が付いているかは部屋により異なりますが、テレビ・エアコン・冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・ベッド・TVボード・テーブル・洋服ダンスは付いているところがほとんどです。
 
 親切な大家さんだと最低限の食器や鍋類などキッチン用品もセットになっています。引越ししたらすぐにでも生活ができるので、地方から出てくる人、外国人にはとても便利です。
 
 ただ、賃貸契約は1~2年、家賃は1年分先払いということも多く、入居時にかなりの資金が必要になることと、賃貸契約を途中解約しても支払ったお金は戻ってきませんので、物件選びは慎重に行なう必要があります。

 賃貸契約は直接大家さんとする場合もあれば、不動産会社を通す場合もあります。

いずれの場合も、備え付けの家電や家具などが故障・破損した場合にだれが責任を負うかでトラブルになることが多いので、契約の際には注意が必要です。

 アパートメントに住むメリットは日本と同じで、隣に誰が住んでいるか知らないことも多いぐらい、プライバシーが守られるということ。オートロック、カードキーがないとエレベーターに乗れないなどセキュリティ面は安心です。
 
 デメリットは先にもお話した家賃の先払いと、日本よりも広い部屋が多いため掃除が大変なこと。水道・電気代の支払い、飲み水の注文から、部屋でのトラブルに修理屋を呼んだりと、自分で手配することが多く手間がかかること。ただし、こうしたデメリットは安価で雇える家政婦さんを利用することで解決可能。以前ご紹介しましたが、週に2~3回通いで掃除に来てもらうということもできます(月5000~1万円ぐらい)。

 なお一人暮らしで、電気代は月5000~1万円、水道代は月1500~3000円、インターネット・ケーブルテレビ代月3000円ほどが別途必要です。

 最近は1日からでも貸し出しているアパートメントも出てきましたので(ヨーロッパなどでもよくありますね)、1週間~1カ月の滞在であればホテルよりも安く借りられ、ホテルとは違った滞在を楽しむことができます。

 このほか、アパートメントに掃除(シーツ交換・タオル交換・食事など)が付いたサービスアパートメントというものもあります。単身の男性にとってはとても便利。家賃はアパートメントよりも若干高めで、月2000~5000ドル(約20万~50万円)、電気・水道代は込みのところもあります。

プライバシーはないけれど安く借りられるコス(KOST)

 KOST(コス)とはオランダ語が由来で「下宿」という意味なのですが、日本で今流行っているシェアハウスに似たシステムの住まいです。
 
 大きな一軒家の部屋を貸し出すタイプ(下宿ですね)と、KOST用に建てられた日本の2~3階建てのアパートやコーポのような感じのものの2種類があります。ジャカルタで一般的なのは後者です。

 KOSTはジャカルタ中心部の大きな通りから少し入ったところ、交通の便がよいところに多くあります。家賃は月1万5000~4万円と比較的安く借りられます。

 設備はマンションと同様、家具や家電の最低限度のものは備え付けられているので、部屋が空いていればすぐに入居、生活を始められます。しかも、水道・電気・インターネット(WIFI)・ケーブルテレビなどは家賃込み、洗濯と掃除も付いています。契約は1カ月から(前金として+1カ月の家賃)可能です。

 スタジオタイプ(ワンルームタイプ)の部屋で、ベッド・洋服ダンス・テーブル・テレビ・エアコンなどは完備されています。家賃と設備の相場は以下のとおり。

【家賃1万5000~3万円】
 10平米ぐらい、シャワー(家賃2万円以下は水しかでないこともある)共同、キッチン共同。設備もシンプルで質素なイメージ。

WIFIインターネットあり。ケーブルテレビもチャンネルは少ない。
 洗濯は1日何枚までという制限がつけられることが多い。掃除は毎日入ってくれるがシーツの交換は週1~2回。
 月収でいうと5万~10万円ぐらいのインドネシア人・外国人が多く住む。

【家賃3万円以上】
 20平米ぐらい、ホットシャワー室内、キッチン共同。設備は新しいホテルの部屋のようなイメージ、ベッドもダブルもしくはクイーンサイズ。ケーブルテレビではNHKが見られることも。
 洗濯・掃除は毎日、シーツの交換は週1~2回。駐車場スペースも広く、24時間お手伝いさん・セキュリティの人が待機していて、何かあった場合も人を呼べるので治安面も安心。
 月収10万~20万円ぐらいの人が多く住む。
 
 月収が25万円を超えると、アパートメントに越すひとが多いかもしれません。


 KOSTに住むメリットは家賃月払い可能、他経費込みなので安価で安心なこと。共同スペースがあるので、他住人(インドネシア人や外国人)との情報交換やコミュニケーションができ、アットホームな雰囲気を楽しめます。部屋の修理や電気の交換などはお手伝いさんに伝えておけば留守中に修理に入ってくれるので、自分で手配する手間はかかりません。
 
 デメリットはマンションに比べて共同スペースなどが多く、また掃除に入ってもらう=鍵は管理人・お手伝いさんが持っているので、いつでも入れるということになり、プライバシーが保てないということです。

 私自身も10数年前、インドネシアに住み始めてまもなくのころ、ホームステイ先からKOSTへ引っ越しました。そして共同スペースのリビングやキッチンでインドネシア人住人とよく話しをするようになり、一緒に買出しに出かけたりするうち、そのころからインドネシア語も上達したと思いますし、インドネシア人の生活習慣や文化などもよく理解できるようになりました。
 
 現在はKOSTから引っ越してアパートメントに住んでいますが、KOSTで一緒にすごした友人たち・大家さんとは現在でも仲良くしています。

 中長期の旅行や滞在(就職活動など)であれば、ホテルよりもKOSTやアパートメントのほうが料金的にお得な場合も多いです。
 
 ぜひジャカルタにいらっしゃる際はホテル以外での滞在方法も検討してみてくださいね。


(文・撮影/長野綾子)

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