ジンバブエ、ムガベ大統領が“モンスター”になった理由とは? [橘玲の世界投資見聞録]

「白人社会の信頼を裏切った」

 アレクサンドラ・フラーの『Don't Let's Go to the Dogs Tonight(今夜は犬のところに行くのを止めなさい)』は、白人少女の視点からローデシア紛争を描いた回想記だ。著者のアレクサンドラはイギリス生まれで、3歳のとき(1972年)に両親とともにローデシアに移住し、そこで“解放戦争”に巻き込まれる。ジンバブエ建国(1979年)は著者が10歳のときだから、主人公は「黒人差別の歴史」についてイノセントだ。白人読者は安心して、幼い少女とその家族の数奇な運命を追体験することができる。

 ピーター・ゴッドウィンの『Mukiwa: A White Boy in Africa(ムキワ――アフリカの白人少年)』では、少年の立場からローデシア紛争が回想される(“Mukiwa”は「南アフリカの白人」を意味するバンツー族の言葉)。著者は1957年生まれだから、紛争は8歳から22歳までにあたる。

 ピーターの父はポーランド系ユダヤ人の技師で、母はイギリス系の医師だった。彼は17歳で黒人の反乱軍とたたかうために警察官として徴集され、21歳のときに姉と婚約者が反乱軍の待ち伏せにあって殺されている。その後、イギリスに渡ってケンブリッジ大学で法律を、オックスフォード大学で国際関係論を学んだピーターは、『サンデイタイムズ』の記者となった――この経歴からわかるように、彼の場合は黒人差別にイノセントとはいえないものの、両親は都市知識層で、家族はローデシア紛争のなかで相応の代償を支払っている(そのうえピーターの父方の一家は、ナチスのホロコーストを逃れてアフリカに渡ってきた)。


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2015年5月24日の経済記事

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