FortiGuard Labsによる「2025年 フォーティネット グローバル脅威レポート」は、ダークネット上でのCaaS(as a service型のサイバー犯罪)取引が急拡大し、認証情報、エクスプロイト、アクセス情報の高値取引に拍車をかけている状況を浮き彫りにしています。


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1708/113182/350_493_20250702111003686494fbdf6b7.png


サイバーセキュリティの世界的リーダーで、ネットワークとセキュリティの融合を牽引するフォーティネット(Fortinet®)は、FortiGuard Labsによる「2025年 フォーティネット グローバル脅威レポート」の最新版を発表しました。
本最新レポートでは、2024年の脅威情勢を概説し、MITRE ATT&CKフレームワークに基づいて、サイバー攻撃で用いられた全ての戦術を包括的に分析しています。観測されたデータによると、脅威アクターが自動化し、商用化されたツールやAIを駆使し、防御側が従来有していた優位性を組織的に切り崩していることが確認されています。
https://www.fortinet.com/jp/resources/reports/threat-landscape-report

FortiGuard Labsによる最新グローバル脅威レポートの主な調査結果:


外部に公開された標的を特定するための初期偵察が活発化し、自動スキャンが記録的に増加:サイバー犯罪者は、新たに発見された脆弱性を利用するため、世界規模で自動スキャンを展開しています。2024年には、サイバー空間で能動的なスキャンが占める割合が、前年比で16.7%増加し、過去最高レベルとなりました。外部に公開されたデジタルインフラストラクチャに対して、大規模かつ巧妙な情報収集が行われていることが窺えます。FortiGuard Labsの観測によると、毎月数十億件ものスキャンが確認されており、毎秒3万6,000件のスキャンが試行されていることになります。これは、SIPやRDPといった公開サービスや、Modbus TCPのようなOT / IoTプロトコルを対象とした活動が集中的に行われていることを示しています。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1708/113182/700_437_20250702111003686494fbdfb82.png


ダークネット市場が、巧妙にパッケージ化されたエクスプロイトの容易な入手を後押し:2024年には、米国政府の脆弱性データベース(NVD:National Vulnerability Database)に4万件以上の脆弱性が追加され、2023年から39%増加しました。こうした状況下で、サイバー犯罪者のフォーラムは、エクスプロイトキットが取引される洗練された市場としての機能を強めています。従来から出回っているゼロデイ脆弱性に加えて、初期アクセスブローカー(IAB:Initial Access Broker)が、企業認証情報(20%)、RDPアクセス(19%)、管理パネル(13%)、Webシェル(12%)を積極的に提供するようになっています。さらに、FortiGuard Labsの観測によると、インフォスティーラーマルウェアに感染したシステムからのログが前年比で500%増加し、こうしたアンダーグラウンドフォーラムで17億件もの窃取された認証情報記録が取引されました。


AIを駆使したサイバー犯罪が急速に拡大:脅威アクターは、AIを活用してフィッシングの真正らしさを高め、従来のセキュリティ制御を回避しています。
これにより、サイバー攻撃の効果が高まり、検知が困難になっています。FraudGPT、BlackmailerV3、ElevenLabsなどのツールは、一般に利用可能なAIツールの倫理的制約がなく、より大規模で信憑性が高く、効果的なキャンペーンの実行を助長しています。


重要分野を狙う標的型攻撃が激化:製造、医療、金融サービスなどでは、脅威アクターがそれぞれの分野に特化した手口での悪用に注力することで、サイバー攻撃が急増し続けています。2024年に最も標的となった分野は、製造(17%)、ビジネスサービス(11%)、建設(9%)、小売(9%)です。国家が支援する脅威アクターとRaaS(Ransomware-as-a-Service:サービスとしてのランサムウェア)実行犯の両方が、これらの業界に標的を絞っています。また、国別では、攻撃の過半が米国(61%)に集中し、次に英国(6%)とカナダ(5%)が続いています。


クラウドとIoTのセキュリティリスクが加速:クラウド環境は依然として主要な標的となっており、オープンなストレージバケット、過剰な許可を持つアイデンティティ、構成ミスのあるサービスといった、繰り返し悪用されてきた不備が利用されています。観測されたインシデントの70%が、通常とは異なる地域からのログインを通じてアクセス権を得ており、これは、クラウド防御におけるアイデンティティ監視の重要性を示すものです。


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1708/113182/700_317_20250702111003686494fbd159b.png


認証情報はサイバー犯罪の通貨:2024年には、1,000億件以上の漏洩データがアンダーグラウンドフォーラムで取引され、前年比42%増となりました。この急増を支えているのが、窃取されたユーザー名、パスワード、メールアドレスを含むデータファイル、いわゆる「コンボリスト」です。ダークネットにおける投稿の過半数は、漏洩したデータベースに関連しており、サイバー犯罪者はこうしたデータを入手することで、大規模なクレデンシャルスタッフィング攻撃を自動化して実行できるようになります。調査期間を通じてきわめて活発な活動を見せたBestCombo、BloddyMery、ValidMailなどのよく知られたサイバー犯罪グループは、こうした認証情報をパッケージ化して検証することで、参入障壁を下げ続け、アカウント乗っ取り、金融詐欺、企業スパイ活動に拍車をかけています。


CISOへの提言:新たな脅威に対するサイバー防御の強化
Fortinet’s「フォーティネット グローバル脅威レポート」は、脅威アクターの最新の戦術や手法に関する詳細を提供すると同時に、具体的な推奨事項や実行可能な洞察も提供しています。CISOとセキュリティチームの支援を目的として作成された本レポートは、攻撃される前に対策を講じるための戦略を提示し、新たなサイバー脅威に先手を打つための態勢の構築を後押しします。

今年のレポートは、「CISOのための攻撃者対策プレイブック」も含み、以下のような重点的に取り組むべき戦略的領域を取り上げています。

従来の脅威検知から継続的な脅威減災管理(CTEM)へ転換:プロアクティブなアプローチにより、攻撃対象領域の継続的な管理、実世界での攻撃行動のエミュレーション、リスクに応じた修復の優先順位付け、検知と防御対応の自動化に重点を置きます。侵害攻撃シミュレーション(BAS)ツールを活用し、エンドポイント、ネットワーク、クラウド防御を実際の攻撃シナリオに基づいて定期的に評価することで、ラテラルムーブメントや悪用に対するレジリエンスを確保できます。
実際の攻撃をシミュレート:攻撃行動のエミュレーション演習、レッドチームとパープルチームの演習を実施し、MITRE ATT&CKを活用してランサムウェアやスパイ活動などの脅威に対する防御をテストします。
攻撃対象領域のリスクを削減:攻撃対象領域管理(ASM)ツールを導入し、外部に公開された資産、漏洩した認証情報、悪用可能な脆弱性を検知するとともに、新しい脅威を特定するため、ダークネットのフォーラムを継続的に監視します。
高リスクの脆弱性の修復を優先:サイバー犯罪グループによる活発な議論の対象となっている脆弱性の修復に注力し、EPSSやCVSSといったリスクベースの優先順位付けフレームワークを活用して効果的なパッチ管理を行います。
ダークウェブのインテリジェンスを活用:ダークネット市場を監視して新たなランサムウェアサービスの動向を把握し、ハクティビストの連携の動きを追跡し、DDoS攻撃やWebサイト改ざんなどの脅威に先手を打って対処します。

FortiGuard Labsのアドバイザリサービスにより、最先端のテクノロジーとエキスパートサービスを組み合わせることで、脅威が出現する前にセキュリティ態勢を強化できます。インシデント発生時には、FortiGuard Labsが迅速かつ効果的な対応と綿密なフォレンジック分析を提供し、影響を最小限に抑えて将来の侵入を防止します。これにより、不安定さを増す今日のデジタル環境で包括的な保護を実現できます。

https://www.fortinet.com/jp/solutions/enterprise-midsize-business/security-as-a-service/respond

フォーティネットのFortiGuard Labsのチーフセキュリティストラテジスト兼脅威インテリジェンス担当グローバルバイスプレジデント、Derek Manky(デレク・マンキー)は次のように述べています。

「フォーティネット グローバル脅威レポートは、ひとつの明確な事実を示しています。サイバー犯罪者は、AIと自動化を駆使し、かつてないスピードと規模で活動を加速させています。防御側は、もはや従来のセキュリティ対策だけでは対抗できません。今日の急速に進化する脅威の状況を先取りするために、AI、ゼロトラスト、継続的な脅威減災管理(CTEM)を活用した、インテリジェンス主導のプロアクティブな防御戦略への転換が求められています」

関連資料
●「2025年 フォーティネット グローバル脅威レポート」(日本語版)の全文
https://www.fortinet.com/jp/resources/reports/threat-landscape-report
● この調査から得られた重要な所見については、ブログをご覧ください。
https://www.fortinet.com/jp/blog/threat-research/key-takeaways-from-the-2025-global-threat-landscape-report
● FortiAIとフォーティネットのAIドリブンのイノベーションについて
https://www.fortinet.com/solutions/enterprise-midsize-business/fortiai
● フォーティネット セキュリティ ファブリックは、組織規模を問わず、あらゆる侵入口でランサムウェアを阻止するためのエンドツーエンドのセキュリティを提供します。
https://www.fortinet.com/jp/solutions/enterprise-midsize-business/security-fabric
● フォーティネットのイノベーション、協力パートナー、製品セキュリティプロセス、実証済みのサイバーセキュリティを必要とされるあらゆる場所に提供するエンタープライズグレード製品の詳細
https://www.fortinet.com/jp/trust
● フォーティネットのお客様による組織の保護の事例
https://www.fortinet.com/jp/customers
● フォーティネット製品のセキュリティと完全性に対するコミットメントで、当社の製品開発と脆弱性の責任ある開示のアプローチとポリシーの詳細をご覧ください。
https://www.fortinet.com/content/dam/fortinet/assets/flyer/ja_jp/flyer-fortinet-commitment-to-product-security-and-integrity.pdf
● フォーティネットのX、LinkedIn、Facebook、Instagramをフォローし、フォーティネットのブログまたはYouTubeチャネルに登録してください。
X:https://x.com/fortinetjapan
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/fortinet/
Facebook:https://www.facebook.com/FortinetJapan/
Instagram:https://www.instagram.com/fortinet/
ブログ:https://www.fortinet.com/jp/blog
YouTube:https://www.youtube.com/@FortinetJapan


##


※本プレスリリースは、米Fortinet, Inc.が2025年4月28日(現地時間)に発表したプレスリリースの抄訳です。
原文:https://www.fortinet.com/corporate/about-us/newsroom/press-releases/2025/fortinet-threat-report-reveals-record-surge-in-automated-cyberattacks
※この日本語版はフォーティネットのニュースルームでもご覧いただけます。
https://www.fortinet.com/jp/corporate/about-us/newsroom/press-releases/2025/fortinet-threat-report-reveals-record-surge-in-automated-cyberattacks

■フォーティネットについて
フォーティネットは、ネットワーク/セキュリティの融合とサイバーセキュリティの進化を、牽引し続けている企業です。あらゆる場所で、人・デバイス・データの安全を確保するというミッションのもと、お客様が必要とするすべての場所にサイバーセキュリティを提供しています。
今日では、エンタープライズでの利用に対応した50を超える製品群で構成される業界最大規模の統合ポートフォリオを実現し、業界最多の導入実績、特許数、認証数に支えられ、50万を超えるお客様からの信頼を獲得しています。「Fortinet Training Institute」では、誰もがサイバーセキュリティのトレーニングと新たなキャリアの機会を得られるよう、業界最大規模かつ最も広範なトレーニングプログラムを提供しています。また、各国のCERT(Computer Emergency Response Teams)や政府機関、学界などとの緊密な官民連携は、世界のサイバーレジリエンスを強化するための基本的な取り組みです。さらに、脅威分析とセキュリティ研究を行う組織「FortiGuard Labs」を運営し、自社開発した最先端の機械学習やAIテクノロジーを活用することで、タイムリーかつ一貫したトップクラスの保護と共に、実用的な脅威インテリジェンスをお客様に提供しています。詳しくは当社ホームページ、フォーティネットブログ、FortiGuard Labsホームページをご参照ください。
Fortinet Training Institute:https://www.fortinet.com/jp/nse-training
緊密な官民連携:https://www.fortinet.com/jp/trust
FortiGuard Labs:https://www.fortinet.com/jp/fortiguard/labs
当社ホームページ:https://www.fortinet.com/jp
フォーティネットブログ:https://www.fortinet.com/jp/blog

Copyright© 2025 Fortinet, Inc. All rights reserved. 「®」および「™」マークはいずれも、Fortinet, Inc. とその子会社および関連会社の米国における登録商標および未登録商標であることを示します。フォーティネットの商標には、Fortinet、Fortinetロゴ、FortiGate、FortiOS、FortiGuard、FortiCare、FortiAnalyzer、FortiManager、FortiASIC、FortiClient、FortiCloud、FortiMail、FortiSandbox、FortiADC、FortiAI、FortiAIOps、FortiAgent、FortiAntenna、FortiAP、FortiAPCam、FortiAuthenticator、FortiCache、FortiCall、FortiCam、FortiCamera、FortiCarrier、FortiCASB、FortiCentral、FortiCNP、FortiConnect、FortiController、FortiConverter、FortiCSPM、FortiCWP、FortiDAST、FortiDB、FortiDDoS、FortiDeceptor、FortiDeploy、FortiDevSec、FortiDLP、FortiEdge、FortiEDR、FortiExplorer、FortiExtender、FortiFirewall、FortiFlex、FortiFone、FortiGSLB、FortiGuest、FortiHypervisor、FortiInsight、FortiIsolator、FortiLAN、FortiLink、FortiMonitor、FortiNAC、FortiNDR、FortiPAM、FortiPenTest、FortiPhish、FortiPoint、FortiPolicy、FortiPortal、FortiPresence、FortiProxy、FortiRecon、FortiRecorder、FortiSASE、FortiScanner、FortiSDNConnector、FortiSIEM、FortiSMS、FortiSOAR、FortiSRA、FortiStack、FortiSwitch、FortiTester、FortiToken、FortiTrust、FortiVoice、FortiWAN、FortiWeb、FortiWiFi、FortiWLC、FortiWLM、FortiXDR、Lacework FortiCNAPPなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。その他の製品名およびサービス名等は、各社の商標である場合があります。フォーティネットは、本プレスリリース内の第三者に帰する声明、認可またはテストについては、検証を行っておらず、また、このような第三者に帰する声明を承認するものではありません。本プレスリリースは、保証または債務保証、または契約として一切拘束を受けるものではなく、記載された製品仕様または製品性能は、ある特定の環境や条件のもとで計測されていることがあります。また、本プレスリリースには、将来の見通しに関して不確実性および仮説を伴う記述が含まれている場合がありますが、本不確実性が現実になったり、あるいは本仮説が正しくないことが判明したりする場合、明文的あるいは暗黙的に記述された内容と異なる結果が生じることがあります。これには、サイバー犯罪活動の動向予測に関する記述などが含まれますが、これに限定されるものではありません。
このような動向は予測することが困難であり、また、このような動向に関する公開予測や期待事項は結果として正しくないことがあります。フォーティネットは、このような将来見通しを改正する義務を一切負うものではなく、また改正を発行することもありません。


関連リンク
最新プレスリリース一覧
https://www.fortinet.com/jp/corporate/about-us/newsroom/press-releases.html
編集部おすすめ