株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)と株式会社ブリヂストン(東京都中央区、代表執行役Global CEO:石橋秀一、以下ブリヂストン)(証券コード5108)は、中小型月面探査車向けタイヤの実用化に向けた基本合意書を締結しました。

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締結式の様子(2025年7月15日)
株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史(右)
株式会社ブリヂストン BSJP直需タイヤ戦略企画/新モビリティ事業部門長 太田正樹(左)

 ispaceとブリヂストンは、本合意に基づき小型および中型月面探査車の性能向上に向けた活動を共同で進めます。
ispaceが研究開発を進める小型および中型月面探査車のプロトタイプに、ブリヂストンが開発を進める柔らかく変形することで高い走破性と耐久性を提供する月面探査車用タイヤ※1(弾性車輪)を装着し、地上での評価検証を実施します。その検証を通じて月面での技術実証の実現性や事業性の評価も行うことで、最短2029年頃の実用化を共に目指していきます。ispaceとブリヂストンは今回の取り組みを通じて、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置された宇宙戦略基金の活用等も見据え、両社にて日本の宇宙産業の発展に貢献してまいります。

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ブリヂストンの月面探査車用タイヤのコンセプトモデル

■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
 「ispaceが目指す、シスルナ経済圏※2の構築には多様な業種のプレーヤーの参画が欠かせません。今回、ブリヂストンとの基本合意書締結と将来の月ミッションでの実証に関する検証は、まさにそれを証明するものです。
 世界の道を知り、地球のあらゆるモビリティの進化を技術で支えてきたブリヂストンが、極限の環境で安心・安全を守り”人類の夢を背負った宇宙探査を支える”べく研究開発を進める月面探査車用タイヤが、今後月における人類の発展に貢献することは間違いありません。ispaceが開発するマイクロローバーは世界最小クラスの月面探査車で、月面という人類の目指す新しい場所には、なくてはならない技術です。新たな環境でシスルナ経済圏の構築のため、共に協業出来ることを楽しみにしています。」

■ 株式会社ブリヂストン BSJP直需タイヤ戦略企画/新モビリティ事業部門長 太田正樹のコメント
 「ブリヂストンは2019年より月面探査車用タイヤの研究開発を開始、2025年4月には中小型月面探査車向け軽量化タイヤのコンセプトモデルを発表するなど※3、さらなる宇宙ビジネスのネットワーク拡大と共創機会の創出に取り組んでいます。この度、当社の取り組みに共感いただいたispaceと協業を開始するに至り大変光栄です。
 ブリヂストンの月面探査車用タイヤは、金属製スポーク※4の採用により、耐久性を確保しながら柔軟に変形することで、月面の岩などの障害物を乗り越えられる優れた走行性能を提供します。これにより、過酷な月面環境においてispaceのローバーを足元から支え、共にさまざまなミッションへ挑戦していきます。日本発の宇宙スタートアップ企業であるispaceとの協業を通じ、当社の弾性車輪技術の優位性を確立し、日本における月面開発の発展に貢献してまいります。」

■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/
)について
 「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。
日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2も2025年1月15日に打上げを完了した。ミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)およびミッション4(旧ミッション6)は2027年※5に 打ち上げを行う予定。
 ミッション1、2はR&D(研究開発)の位置づけで、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化を目的としている。結果、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。ミッション1、2で得られたデータやノウハウは後続するミッション3へフィードバックし、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によって、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

■ 株式会社ブリヂストン( https://www.bridgestone.co.jp/
)について
 ブリヂストンは、1931年に福岡県久留米市で創立されました。「最高の品質で社会に貢献」を使命とし、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」をビジョンに掲げています。
タイヤ・ゴム業界のグローバルリーディングカンパニーとして、変化する社会のニーズに対応しながら、一人ひとりの安心・安全な移動や暮らしを支え続け、現在では、約130の生産・研究開発拠点を持ち、150を超える国と地域でプレミアムタイヤ事業(コア事業)、ソリューション事業(成長事業)、探索事業、化工品・多角化事業を展開しています※6。
 当社は、未来に向けた新たな種まきである探索事業の一つとして、月面探査車用タイヤ開発に取り組んでいます。「タイヤは生命を乗せている」という大原則のもと、空気充填が要らない次世代タイヤ「AirFree」※7で培った技術を応用し、高い走破性と耐久性を両立するタイヤの開発を進めています。今後も技術開発を推進し、月面という人類が活動する新たな「極限」に挑戦することで、スペースモビリティの進化を足元から支え、モビリティの未来になくてはならない存在となることを目指します。ブリヂストンは、月面探査車用タイヤ開発でスペースモビリティの進化を支えることで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」※8で掲げる「Extension 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと」にコミットしていきます。

※1 ブリヂストンの月面探査車用タイヤの技術概要については、こちら(https://www.bridgestone.co.jp/technology_innovation/moon_tires/
)のWebサイトをご参照ください。
※2 シスルナ経済圏とは地球と月の間の空間のことで、ispaceはそこに経済基盤の構築を目指しています。
※3 ブリヂストンは、2025年4月に第2世代のタイヤをベースに中小型月面探査車向けに軽量化を進めた弾性タイヤのコンセプトモデルを発表しています。
2025年4月1日 「第40回 Space Symposium」に出展(https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2025040101.html

※4 タイヤの接地面とホイールを繋ぎ、荷重を支えるとともに衝撃を吸収する機能を持つ部材
※5 2025年7月時点
※6 2024年12月末時点
※7 ブリヂストンの「AirFree」の技術概要については、こちら(https://www.bridgestone.co.jp/technology_innovation/air_free/
)のWebサイトをご参照ください。
※8 「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストンイーエイトコミットメント)」
ブリヂストンは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment(https://www.bridgestone.co.jp/corporate/manage/policy/commitment/
)」を制定しました。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、ブリヂストンらしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、ブリヂストンらしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます。


本件に関するお問合わせ先
<株式会社ispace> 広報 山本 TEL:070-8823-3747
<株式会社ブリヂストン> グローバル広報オペレーション部門 TEL:03-6836-3333
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