シミュレーションによって最適なキッチンの換気設備選びの参考情報を提供

 富士工業株式会社(神奈川県相模原市/厨房機器製造・販売/代表取締役社長 柏村浩介 以下、FUJIOH)は、DCモーターと細長い羽根を筒状に取り付けたシロッコファンを搭載するレンジフード(以下、シロッコファン搭載レンジフード)とプロペラファン換気扇を比較するシミュレーションを実施しました。本シミュレーションは、新築またはリフォームを検討されている方に、住環境やニーズに応じた最適なキッチンの換気設備選びの参考情報を提供することを目的としています。


※1 富士工業グループは、一般家庭用レンジフード供給台数国内シェア No.1。(2021年4月 東京商工リサーチ調べ ODM 生産品含む)
※2 FUJIOHは、富士工業グループの企業ブランドです。

    

       [画像1]https://digitalpr.jp/simg/2483/115552/600_218_202508061740516893151395e48.JPG


気温が高い状況下を想定したシミュレーション(シロッコファン搭載レンジフード運転時)
※画像内の塗りつぶしは床から100㎝の高さの温度を指す

■背景と目的
 日本の夏季は、猛暑と電力料金の高騰によって、空調使用による家計への負担が増しています。室内の空気環境改善のために夏季でも換気は重要ですが、過剰な換気は空調効率を低下させ、空調電気代の増加につながります。また、台風や集中豪雨で外風が強い場合には換気が困難となり、ダニや粉じん、建材から発生する化学物質などが室内に蓄積するおそれがあります。そのため、新築またはリフォーム時の適切な換気設備選びが重要となります。FUJIOHは、50年以上にわたる一般家庭用レンジフードの開発・生産を通じて、空気環境改善の知識と経験を培ってきました。これを活かし、夏季特有の課題を解決するキッチンの換気設備を検証しました。

■対象製品
 本シミュレーションでは、キッチンの加熱調理機器上部に設置する、シロッコファン搭載レンジフードとプロペラファン換気扇を比較しました。プロペラ式換気扇は屋外の影響を受けやすく、外風が強い場合には排気能力が低下しやすい一方で、外風がない状況では排気能力が過剰になる傾向があります。本シミュレーションでは、こうした影響を可視化するため、それぞれの条件が換気性能に与える影響を数値的にシミュレーションしています。

・シロッコファン搭載レンジフード(DCモーター搭載※3)・・・ダクトを通じて排気
※3 DCモーター搭載レンジフード選定理由…DCモーターの動作制御により、過剰な換気を抑えて必要十分な風量で運転するため、ACモーター・シロッコファン搭載レンジフードより気温が高い条件下での室温制御効果が期待できるからです。


・プロペラファン換気扇・・・屋外に面した壁から排気



      



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左:シロッコファン搭載レンジフード 中央:シロッコファン 右:設置イメージ


 [画像3]https://digitalpr.jp/simg/2483/115552/450_247_20250806174012689314ec8d0a3.JPG

左:プロペラファン換気扇 右:設置イメージ※
※製品には前板を取り付けるため実際の設置イメージとは異なります。


■シミュレーション内容と結果
①気温が高い条件下を想定したシミュレーション
 プロペラファン換気扇は、大きな風量で運転するため、住宅に必要な換気量を超えて過剰な換気で運転する場合があります。一方、シロッコファン搭載レンジフードは、DCモーターの動作制御により、過剰な換気を抑えて必要十分な風量で運転します。
 そこで、気温の高い条件下において、換気量の違いが室温上昇の抑制にどのような効果を及ぼすかをシミュレーションしました。シミュレーションでは、空調運転中の標準的な戸建て住宅のリビングキッチン(29.8㎡)で、シロッコファン搭載レンジフードとプロペラファン換気扇をそれぞれ1時間運転した場合の室温変化を比較しました。その結果、シロッコファン搭載レンジフードは、プロペラファン換気扇より約1.3℃室温上昇を抑制することを確認しました。本シミュレーション結果は、シロッコファン搭載レンジフードが、気温が高い時の室温制御に有効であることを示しています。


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2483/115552/700_247_202508061131386892be8ac3bc6.JPG


左:シロッコファン搭載レンジフード運転時               
右:プロペラファン換気扇運転時
※画像内の塗りつぶしは床から100㎝の高さの温度を指す

・シミュレーション条件
室内初期温度:25℃ 
気温:35℃
風量:シロッコファン搭載レンジフード420 m3/h、プロペラファン換気扇700 m3/h
解析時間:1時間
冷房能力:7.1kW
冷房風量:1122m3/h(強)
冷房設定温度:27℃


②外風が強い状況下を想定したシミュレーション
 プロペラファン換気扇は、屋外に面した壁に取り付けるため外風の影響を受けやすい一方、シロッコファン搭載レンジフードは、ダクトを通じて排気するため外風の影響を受けにくく、安定した排気が期待できます。このような屋外環境の影響を受けにくい安定した排気は、外風が強い悪天候時においても室内の空気の汚れを継続的に屋外へ排出する上で重要な役割を果たします。
 そこで、外風が強い状況での排気の安定性とその効果を確認するために、標準的な戸建て住宅のリビングキッチン(29.8㎡)でシロッコファン搭載レンジフードとプロペラファン換気扇を運転した場合の、室内における空気の汚れを比較するシミュレーションを実施しました。その結果、運転開始後30分の時点で、シロッコファン搭載レンジフードはプロペラファン換気扇の約2倍多くの空気の汚れを排出できることが明らかになりました。一方、プロペラファン換気扇は、外風が強い状況下では排気能力が低下し、空気の汚れを安定して排出することができませんでした。
これにより、シロッコファン搭載レンジフードは、外風が強い状況においても、粉じんや化学物質、調理時の気になるにおいがこもった空気を安定して多く排出するため、室内で過ごす時間を快適にする効果が高いことが示されました。


[画像5]https://digitalpr.jp/simg/2483/115552/700_247_202508061131396892be8b342ff.JPG


左;シロッコファン搭載レンジフード運転時(運転開始から30分後 空気の汚れの量925)
右:プロペラファン換気扇運転時(運転開始から30分後 空気の汚れの量456)

・シミュレーション条件
外風:10m/s
圧損:42Pa
風量:シロッコファン搭載レンジフード420 m3/h、プロペラファン換気扇100m3/h
解析時間:30分


■シミュレーションの成果
 プロペラファン換気扇はシロッコファン搭載レンジフードに比べて機能面で劣るものの、取り付けが簡単かつ安価であることから現在も多くの住宅で使用されています。実際に、レンジフードを取り替えた方を対象にしたアンケート調査では、約25%がプロペラファン換気扇を使用していたと回答しました※4。
 今回のシミュレーションでは、シロッコファン搭載レンジフードが必要十分な風量で運転して室温上昇を抑制すること、外風が強い状況下でも排気能力を落とさず安定した運転を実現することを明らかにしました。一方、この結果は、気温が高く外風が強い環境下では、シロッコファン搭載レンジフード運転時はプロペラファン換気扇運転時より室温が上昇する可能性があるとも言えます。しかし、これはプロペラファン換気扇が室温上昇を制御しているわけではなく、外風の影響によるプロペラファン換気扇の排気能力低下が原因であり、室温上昇を抑えられているように見えても、空気の汚れは室内に滞留しやすくなっています。そのため、室温と室内の空気の汚れの両面で見ると、気温が高く、外風が強い環境下であってもシロッコファン搭載レンジフード運転時の方が、室内の環境は快適であると言えます。
 今回のシミュレーション結果は、プロペラファン換気扇が現在も普及している中で、今後の新築またはリフォーム時のキッチンの換気設備選びにおいて、快適な室温やきれいな空気環境を維持する上で、重要な判断材料となります。

 今後も FUJIOH は、ブランドビジョン「空気を変え、環境を変え、明日を豊かに変えていく。」の実現に向けて、快適な空気環境を構築するための製品開発や技術革新に挑戦していきます。

※4 出典:2024 年 8 月 1 日~2025 年 1 月 31 日 TAG/OGR/XGR/SEG/LGR/EWR/TLR シリーズ成約者へのアンケート結果

【シロッコファン搭載レンジフード例】
FUJIOHのシロッコファン搭載レンジフードは、清掃性も兼ね備えています。なかでも、10年間ファンのお掃除を不要※5,6にする機能を搭載した製品は、手間がかかるお掃除をラクにして、お客様をゆとりのある暮らしへ導きます。

■TARシリーズ(FUJIOHオリジナル製品)/TAGシリーズ(単品取替製品)
 独自形状のノズルからお湯をワイドに噴射してファンを自動で回転洗浄する「自動洗浄」により、ファンのお掃除が10年間不要※5です。
自動洗浄でのお掃除は2ヶ月に1回程度※7。給湯トレイをセットし洗浄ボタンを押すと自動洗浄を開始します。自動洗浄後は、排水トレイを洗うだけなので、お掃除にかかる時間とお掃除に使う水の量を削減します。


      [画像6]https://digitalpr.jp/simg/2483/115552/500_447_202508061140096892c089c05c8.jpg


自動洗浄イメージ

※5 お掃除不要とは、レンジフード内部が汚れないという意味ではなく、ファンを取りはずしての手洗いが不要という意味です。自動洗浄を10年間使用し続けた場合のファンやケーシングの汚れ具合が、換気性能に影響を与えない程度であるため、製品設計上の標準使用期間中はお掃除をする必要がないとしています。また、常時換気、自動換気を使用すると洗浄周期が短くなる場合があります。ファンの汚れが気になる場合は取りはずしてお掃除をすることも可能です。
※7 汚れ具合や使用状況により異なります。


■CLRシリーズ(FUJIOHオリジナル製品)/OGRシリーズ(単品取替製品)
FUJIOHの特許技術※8オイルスマッシャーを搭載。高速回転するディスクによって油の侵入を防ぎ、10 年間ファンのお掃除が不要※6です。さらに、日常のお手入れが必要なパーツには、油汚れが落ちやすい表面処理が施されています。これにより、お掃除にかかる時間とお掃除に使う水の量を削減します。



         [画像7]https://digitalpr.jp/simg/2483/115552/500_556_202508061140136892c08d44173.jpg


オイルスマッシャーイメージ

※6 お掃除不要とは、レンジフード内部が汚れないという意味ではありません。普及製品:BDR-3HL(富士工業製)の1年間相当の油が付着する期間が、オイルスマッシャー搭載製品は約10年となるため、製品設計上の標準使用期間中はお掃除をする必要がないとしています。普及製品について1年に 1回ファンを清掃することを前提としています。
※8 特許第5631860号


※ 富士工業株式会社は富士ホールディングス株式会社の100%子会社です。

【富士工業グループ会社概要】
事業概要:一般家庭用/業務用厨房機器の企画・開発設計・生産・販売・アフターサービス
代表者:代表取締役社長 柏村浩介
創立:1941年12月
所在地:神奈川県相模原市中央区淵野辺2丁目1番9号
従業員数:956名(連結従業員数)
グループ会社:富士ホールディングス株式会社
富士工業株式会社
富士工業販売株式会社
フジテックメンテナンス株式会社
株式会社ヒートアンドクール
Fujioh International Trading Pte. Ltd.
芙子帝風商貿(上海)有限公司 (Fujioh Trading Shanghai Co.,Ltd.)
Fujioh Marketing Malaysia Sdn. Bhd.
台灣富士皇股份有限公司(Fujioh Marketing Taiwan Co., Ltd.) 
[関連会社]アリアフィーナ株式会社
公式Web:https://www.fujioh.com
   


本件に関するお問合わせ先
富士ホールディングス株式会社 コミュニケーションデザイングループ
TEL: 042-718-5661
E-MAIL: fujioh.cdg@fujioh.com
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