シエンプレ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 寿郎)は、一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所(住所:東京都渋谷区、所長:佐々木 寿郎)と共同で、調査対象期間に発生したネット炎上についての件数と、その内訳、分析結果を公開しました。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_424_2025082913404068b12f48f285c.png
○資料ダウンロードページ
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202507/
■調査背景
2025年1月28日、デジタル・クライシス総合研究所はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2025」(調査対象期間:2024年1月1日~2024年12月31日)を公開しました。
継続調査の結果報告として、今回は2025年7月1日~2025年7月31日の調査対象期間に発生した炎上事案について、新たに分析しています。
○「デジタル・クライシス白書2025」
https://www.siemple.co.jp/document/hakusyo2025/
■調査の概要
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_729_2025082913415168b12f8fcd410.PNG
■調査結果
1. 炎上主体別 発生件数
1-1. 炎上主体別 発生件数と割合(前月比)
7月の炎上事案は137件でした。前月に比べ、23件増加しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」72件(52.6%)、「一般人」32件(23.4%)、「メディア以外の法人」26件(19%)、「メディア」7件(5.1%)という結果でした。
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_445_2025082913434268b12ffecd625.png
割合については下図のとおり、前月と比較し、「著名人」が9.6ポイントの増加、「一般人」が1.2ポイントの減少、「メディア以外の法人」が7.3ポイントの減少、「メディア」が1ポイントの減少という結果でした。
[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_433_2025082913444768b1303fe19a4.png
1-2. 炎上主体別 発生件数と割合(前年平均比)
前年平均比では、炎上事案は35件増加しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」が34件の増加、「一般人」が3件の増加、「メディア以外の法人」が変動なし、「メディア」が2件の減少という結果でした。
[画像5]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_433_2025082913455768b13085e8dcb.png
割合については下図のとおり、前年平均と比較すると、「著名人」が15.3ポイントの増加、「一般人」が5.0ポイントの減少、「メディア以外の法人」が6.5ポイントの減少、「メディア」が3.7ポイントの減少という結果でした。
[画像6]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_412_2025082913464468b130b45d4dc.png
1-3. 炎上主体別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月比では、炎上事案は62件増加しています。
炎上主体別の内訳は、「著名人」が44件の増加、「一般人」が18件の増加、「メディア以外の法人」が3件の増加、「メディア」が3件の減少という結果でした。
[画像7]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_432_2025082913481568b1310f0ca2f.png
割合については下図のとおり、前年同月と比較し、「著名人」が15.3ポイントの増加、「一般人」が4.7ポイントの増加、「メディア以外の法人」が11.7ポイントの減少、「メディア」が8.2ポイントの減少という結果でした。
[画像8]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_412_2025082913490768b13143c669f.png
2. 炎上の内容別 発生件数
2-1. 炎上の内容別 発生件数と割合(前月比)
炎上内容別の内訳では、「情報漏洩」が0件(0.0%)、「規範に反した行為」が23件(16.8%)、「サービス・商品不備」が13件(9.5%)、「特定の層を不快にさせる行為(※)」が101件(73.7%)という結果でした。
前月と比較すると、「情報漏洩」は変動なし、「規範に反した行為」は11件の増加、「サービス・商品不備」は3件の増加、「特定の層を不快にさせる行為」は9件の増加という結果でした。
※特定の層を不快にさせる行為:法令や社会規範に反する行為ではないものの、他者を不快にさせる行為(問題行動、問題発言、差別、偏見、SNS運用関連など)
[画像9]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_387_2025082913501068b13182efb92.png
割合については下図のとおり、「情報漏洩」が変動なし、「規範に反した行為」が6.3ポイントの増加、「サービス・商品不備」が0.7ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が7.0ポイントの減少という結果でした。
[画像10]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_387_2025082913511868b131c6a33bc.png
2-2. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年平均比)
前年の平均発生件数と比較すると、「情報漏洩」が1件減少、 「規範に反した行為」が15件増加、「サービス・商品不備」が5件増加、「特定の層を不快にさせる行為」が16件増加しました。
[画像11]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_431_2025082913521368b131fd4e952.png
前年平均の割合と比較すると、「情報漏洩」が1.0ポイントの減少、「規範に反した行為」が9.0ポイントの増加、「サービス・商品不備」 が1.7ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が9.6ポイント減少しました。
[画像12]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_387_2025082913530668b1323296a8a.png
2-3. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月の件数と比較すると、「情報漏洩」が変動なし、「規範に反した行為」が13件増加、「サービス・商品不備」が8件増加、「特定の層を不快にさせる行為」が41件増加しました。
[画像13]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_431_2025082913550668b132aa248f1.png
前年同月の割合と比較すると、「情報漏洩」が変動なし、「規範に反した行為」が3.5ポイントの増加 、「サービス・商品不備」が2.8ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が6.3ポイント減少しました。
[画像14]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_431_2025082913555868b132dee5800.png
3. 炎上内容の詳細区分別 発生件数
炎上内容の詳細を分析したところ、「問題発言」に関する炎上事案が53件と最も多く、次いで「非常識な行動(モラルのなさ)」に関する炎上事案が23件でした。
[画像15]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_905_2025082913563568b13303b4956.png
4. 法人等の業界別発生件数
4-1. 法人等の業界別発生件数と割合(炎上の内容別)
炎上主体のうち、「法人等」に該当する炎上33件について、業界ごとに分類しました。炎上事案が最も多かった業界は「メディア」「娯楽・レジャー」業界で、7件(21.2%)という結果でした。
[画像16]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_725_2025082913581268b133642f343.png
業界別の炎上種別を割合で見た場合、結果は下図のとおりです。
[画像17]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_725_2025082913584968b1338952bdb.png
5. 企業規模別の炎上発生件数と割合
炎上の標的が「法人等」の場合に、上場企業か否かや、それぞれの従業員数について調査しました。
なお「法人等」に該当する炎上事案は、日本国内に所在する企業のみを対象としています。
また、公共団体や政党のほか、企業概要や従業員数等の情報が公開されていない団体は本項目の調査対象から除外しています。そのため、本項目における調査対象の総数は23件です。
5-1. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前月比)
上場区分に関して「上場企業」が主体となった事例が3件(13%)、「非上場企業」が主体となった事例が20件(87%)という結果でした。
前月と比較すると、「上場企業」の件数は減少、「非上場企業」の件数は5件増加しました。
[画像18]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_384_2025082914000368b133d35d2ae.png
割合を比較すると、「上場企業」の割合は3.7ポイント減少しました。
[画像19]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_384_2025082914005568b134078d8d7.png
5-2. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年平均比)
前年平均と比較すると、「上場企業」の件数は3件減少、「非上場企業」の件数は2件増加しました。
[画像20]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_375_2025082914021168b13453dac85.png
割合を比較すると「上場企業」の割合は12ポイント減少しました。
[画像21]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_351_2025082914022668b13462af113.png
5-3. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年同月比)
前年同月と比較すると、「上場企業」の件数は1件減少、「非上場企業」の件数は3件減少しました。
[画像22]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_433_2025082914035568b134bb694d3.png
割合を比較すると、炎上した企業のうち、「上場企業」の割合は6ポイント減少しました。
[画像23]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_404_2025082914045568b134f729353.png
5-4. 炎上の対象となった従業員数と売上高の散布図
従業員数500人未満、売上高は500億円未満の企業で炎上事案が多く発生しました。
なお、グラフの集計範囲外ですが、従業員数約3千人、売上高約14000億円といった大企業の炎上事案も確認されました。
[画像24]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_433_2025082914051668b1350cdd46d.png
■分析コメント
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授 山口 真一氏
7月の炎上事例で注目されるのは、ラーメン二郎府中店が「食事は最大20分以内にお願いします」と掲示し、公式Xで発信したことが大きな批判を呼んだ件です。
最終的に店舗側は掲示を撤去し、投稿を削除して謝罪する事態となりました。SNSでの拡散により短期間で全国的な話題となり、さらに海外メディアでも「20分ルール」として報じられ、国内外に大きな注目を集めました。
この炎上は、一店舗のトラブルを超えて「ラーメン二郎」というブランド全体の評判に影響を及ぼしたといえるでしょう。二郎は独自の作法や文化が熱烈な支持を得る一方で、“敷居の高さ”も特徴とされてきました。しかし今回の件は、その印象をより強めてしまい、「初めて行きづらい」「観光客には不親切」といった声が広がりました。
ブランドは一度ネガティブな文脈で語られると、その影響は局所的にとどまらず、潜在顧客や将来の需要にも影を落とします。訪日観光客の増加が見込まれる中で、二郎というブランドに対する国際的なイメージダウンは中途雪的なビジネスリスクとなり得ます。
今回の炎上から得られる示唆は多くあります。
第一に、店舗運営上の効率性を前面に出しすぎると、顧客体験を軽視しているように映り、反感を招くという点です。20分という目安自体は理解できても、それを「ルール」として掲げると強制力を帯び、顧客に圧迫感を与えます。表現を「混雑時のお願い」「なるべくご協力ください」といった柔らかい形にすることで受け止め方は大きく変わります。
第二に、SNSで顧客行動に関する不満を直接的に発信することは炎上の火種となりやすいということです。現場の思いを外に出す際には、社内チェックやリスク判断の体制を整える必要があります。
第三に、ルールの強制ではなく代替手段の提示が望まれます。たとえば、麺量を減らせるオプションを積極的に案内する、混雑する時間帯を避ける工夫を提示する、長時間滞在につながる行為への個別対応を優先するなど、顧客との摩擦を避けながら回転率を維持する方法が考えられます。
さらに、二郎のように国内外で注目されるブランドにおいては、情報発信をグローバル視点で設計することも欠かせません。多言語での案内や文化的背景を踏まえた説明があれば、誤解や過剰な批判を避けられる可能性が高まります。結局のところ、この炎上は効率性の論理が顧客体験の論理を上書きしたときに起こったといえます。今回の事例は、ブランドの魅力を守りながら運営効率を高めるには、伝え方や代替策の設計がいかに重要であるかを改めて示したと言えるでしょう。
■(参考)分類基準
1.分類基準(炎上の主体)
抽出したデータは以下の表1に基づき分類しました。
(表1)分類基準(炎上の主体)
[画像25]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_271_20250107114606677c956eb6226.png
参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016
公に情報を発信する機会の多いメディア関連の法人については、炎上に至る経緯に違いがあるため、他業種の法人と分けて集計しています。
2.分類基準(炎上の内容)
抽出したデータは以下の表2に基づき分類しました。
(表2)分類基準(炎上の内容)
[画像26]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_292_20250107114734677c95c62896b.png
参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016
3.分類基準(業界)
また、炎上の主体が「法人等」の場合、20の業界に分類しました。
なお、該当しない業界に関しては「その他」としてデータを処理しました。
[画像27]https://digitalpr.jp/simg/2393/116947/700_149_20250107114851677c96138ec45.png
参考:業界動向サーチ「ジャンル別業界一覧」https://gyokai-search.com/2nd-genre.htm
■一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所 概要
研究所名 :一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所
設立 :2023年1月20日
代表理事 :佐々木 寿郎
アドバイザー:山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
沼田 知之(西村あさひ法律事務所所属弁護士)
設立日 :2023年1月20日
公式HP :https://dcri-digitalcrisis.com/
関連会社 :シエンプレ株式会社"
関連リンク
シエンプレ株式会社
https://www.siemple.co.jp/
iの視点
https://www.siemple.co.jp/isiten/