~資源循環デジタルサービスと樹脂判別ハンディセンサーを活用し、水平リサイクルの社会実装を加速~

 株式会社リコー(社長執行役員:大山 晃)はこのたび、軟質系廃プラスチック※1の分別精度向上と回収効率化を目的に、廃プラスチックのマテリアルリサイクルを促進する資源循環を支援するデジタルサービスと樹脂判別ハンディセンサーを組み合わせた実証実験を、愛知県瀬戸市および静岡県浜松市で開始しました。本実証実験は2026年10月まで実施予定で、地域の製造事業者・中間処理業者・リサイクラーが連携し、共同回収(ミルクラン)による⽔平リサイクルループ※2の確立を目指します。
水平リサイクルループの確立により、再生資源の活用を促進し、廃棄物削減とCO2排出抑制を同時に実現することで、「資源循環 × 脱炭素」 を両立させた持続可能な社会の実現に貢献します。
※1 軟質系廃プラスチック:特に本実証実験においては、製造業の工場で発生する、仕入先からのストレッチフィルムやポリ袋など、柔らかいポリエチレン(PE)を指します。
※2 水平リサイクルループ:使用済みの製品を原料として使い、再び同じ種類の製品を製造するリサイクル方法

 本実証実験は、環境省の「令和6年度 ⼆酸化炭素排出抑制対策事業費等補助⾦ 脱炭素型循環経済システム構築促進事業 (うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」の採択を受けて実施しています。

 リコーは、愛知県「あいちサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム」、静岡県浜松市との包括連携協定、浜松市カーボンニュートラル推進協議会に参画しており、本実証実験ではこれらの枠組みを活かし、参加企業・団体と連携して取り組みます。


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現状の課題
軟質系廃プラスチックの水平リサイクルは、排出側・回収側双方に以下のような障壁があり停滞しています。
<排出事業者側>
1.素材判別が困難で現場での分別ができない。
2.分別には追加工数が必要。
3.個社単位では回収に十分な物量が確保できない。
4.保管スペースが限られるため長期ストックが難しい。
5.適切な回収・圧縮業者との接点が少ない。
<回収・圧縮業者側>
1.回収時に素材毎に分別されていない。
2.回収後分別する際のコスト負担が大きい。

3.軟質系廃プラスチックは回収効率が悪い。
4.地域排出データが不足し、効率的な集荷ルートを組めない。

実証実験での対応
リコーは、実証実験を通じて水平リサイクルを加速する資源循環デジタルサービスを開発します。このサービスにより、これまでリサイクルが難しかった軟質系廃プラスチックの水平リサイクルを促進します。
排出事業者は、廃棄資源の種類を把握・分別した上で、その情報を廃棄資源可視化システムに入力します。入力された情報はデータベース化され、回収業者やリサイクラーに共有されます。
排出事業者と回収・圧縮業者をデータベースによりマッチングすることで、排出事業者の保管上限を超えずに済み、回収・圧縮業者も最低回収量を確保できます。その結果、ポリエチレンのみを効率的に回収し、良質な廃棄資源としてリサイクラーに渡すことが可能となり、水平リサイクルの実現につながります。

今回のスキームによる効果

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実証実験の連携体制

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今後の展開
本実証実験で得られた知見を踏まえ、2026年度のサービス提供開始に向けて、対象地域・資源種の拡大を検討します。また、環境省補助事業との連携を通じて⾃治体や業界団体と協働し、資源循環プラットフォームの社会実装を加速してまいります。


※社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

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<お客様の問い合わせ先>
株式会社リコー
環境・エネルギー事業センター 循環型ソリューション開発室
E-mail:ZJP_ricoh_handy_plastic_sensor_ds@jp.ricoh.com

関連リンク
樹脂判別ハンディセンサー
https://industry.ricoh.com/handy-plastic-sensor
環境省の「令和6年度 ⼆酸化炭素排出抑制対策事業費等補助⾦ 脱炭素型循環経済システム構築促進事業 (うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」
https://www.env.go.jp/press/press_03987.html
愛知県「あいちサーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム」
https://aichi-shigen-junkan.jp/circular_economy/project
浜松市カーボンニュートラル推進協議会
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/shin-ene/new_ene/kyougikai/home.html
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